からだのウォームアップ ~楽器を吹く前に~

リラックスして演奏に集中するためには、からだのウォームアップも大切なことです。ストレッチや柔軟運動をすることで、その日のコンディションをチェックしましょう。
筋肉を伸ばすことで体温が上がり、血液循環が良くなります。すると身体を動かす神経伝達がスムーズになり、演奏に必要な関節の動きを最大限に引き出すことでパフォーマンスを高めることが可能になります。
①ラジオ体操第一
ラジオ体操は多くの生徒が覚えており、気軽に導入できるかと思います。だらだらやってしまっては効果も半減しますが、次の13の運動から成り立っているので、本気で意味を理解してやってみると、身体全体が熱くなってきて、全身の筋肉がしっかり使われていることが分かるかと思います。
(1) 伸びの運動
(2) 腕を振って脚を曲げ伸ばす運動
(3) 腕を回す運動
(4) 胸を反らす運動
(5) 体を横に曲げる運動
(6) 体を前後に曲げる運動
(7) 体をねじる運動
(8) 腕を上下に伸ばす運動
(9) 体を斜め下に曲げ、胸を反らす運動
(10)体を回す運動
(11)両脚で跳ぶ運動
(12)腕を振って脚を曲げ伸ばす運動
(13)深呼吸
また、「いち、に、さん、し…」と全員で声を合わせながら体操をすることで、一体感も養われますし、テンポ感やリズム感の育成にもつながるように思います。
ラジオ体操についての詳細は、「かんぽ生命」のホームページに図解と動画が載っていますので、こちらを参考にすると良いかと思います。
   
<図解>
http://www.jp-life.japanpost.jp/aboutus/csr/radio/abt_csr_rdo_dai1.html
<動画>
http://www.jp-life.japanpost.jp/aboutus/csr/radio/abt_csr_rdo_mov_pop_dai1.html
②ストレッチ
ストレッチも、首や体が冷えている状態でいきなりやると筋を傷めてしまうので、ある程度体が温まっている状態でやると良いと言われています。そういう意味でも、ラジオ体操である程度体が温まった後にしっかりストレッチを行うことが大切かと思います。
(1)首周りのストレッチ
アレクサンダー・テクニークの提唱者であるF.M.アレクサンダー氏は、自身の体の不調の原因が「頭と首と胴体の関係にある」ということを発見しました。アレクサンダー氏は「頭と背骨全体の機能を邪魔していなければ、その人全体がうまくはたらく」という原理をのちに『プライマリーコントロール』と呼びました。
このようなことからも、首周りを固定せずに、頭を自由に動ける(=束縛されたり、制限されていないで、思い通りに自在に動ける)ような状態にしておくことは非常に大切なことだと考えられます。
(i)ネックストレッチ(前後)
①片手を頭の側面(手の反対側)に当てます。
②ゆっくりと横に引き、首の横の筋肉を伸ばします。手を入れ替えて反対側も行います。このとき、伸ばしている方の肩が上がらないように気をつけましょう。
(ii)ネックストレッチ(上下)
①あごの下に両手を当て、あごを押し上げて首(前側)の筋肉を伸ばします。
②次に頭の後ろで両手を組み、頭を下に押して首(後ろ)の筋肉を伸ばします。
(iii)ネックロール
ゆっくりと頭で大きく円を描くように首を回し、首の前後や側面の筋肉を伸ばします。首はデリケートな部分なので、力まかせに回すのは逆効果です。
(2)肩と腕のストレッチ
楽器を演奏する人にとって、指、手、腕を固めたりすることなく、自由自在に使うことは大変重要なことです。実際に楽器を構える前に、肩から腕にかけてのストレッチを行うようにすると、楽器を構えた時に余計なところに力が入らず、自然に構えることができるようになります。
(i)アーム・プル
①胸の前で腕を横に伸ばし、もう一方の手で抱え込むようにします。
②抱え込んだ腕を手前に引いていきます。
③左右逆にして何度か繰り返します。
(ii)エルボー・プル
①両腕を上げて頭の後ろでひじをつかみます。
②頭を下げないようにして肘を下に押していきます。
③左右逆にして何度か繰り返します。
これだけやるのでも5分ほどあればできると思います。
毎日の練習の初めに取り入れてみてはいかがでしょうか?

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