コンクールメンバーをどう決めていくか? ~チームとして大切にしたいこと~

今年も夏の吹奏楽コンクールのシーズンが近づいてきました。
私が顧問をしている部活でも、先日メンバーと自由曲が決まり、これからいよいよ本腰を入れて取り組んでいこうとしているところです。
さて、みなさんの部活では、コンクールメンバーはどのように決めていますか?
コンクールメンバーの決め方にも
・実力主義
・年功序列
・全員参加
・希望者のみ etc…
など、いろいろあると思います。
自分自身、生徒だった頃も含めて、いろんな決め方を経験してきましたが、いずれも一長一短あるような気がします。
(1)実力主義
オーディションや、普段の練習などを通して、指導者もしくは部員によって実力があると認められたメンバーが選ばれる方法がこれです。仲間同士が競争心を持つことで、互いを向上させながら、バンド全体のレベルアップにもつなげることができたらいいと思いますが、互いの足を引っ張りあったり、敵対意識を強めてしまうようであれば、逆効果になることもあります。成熟したバンドでないと、なかなか難しい面もあるように感じています。
(2)年功序列
上級生から順番にメンバーが決まっていくという方法です。下級生のうちは面白くない思いもするかもしれませんし、上級生だから必ず出場できると甘くなってしまう部分も生まれてしまうことがありますが、「上級生になったら自分の番だ」という意識をもつことで、学年間のまとまりや、リーダーシップを養成するのには良い方法のようにも思います。楽器を始めたばかりの部員が比較的多い中学校などには多いような気がします。
(3)全員参加
部員数が少なかったり、多くてもいくつかの編成にメンバーを分けて、部員全員が出場するという方法です。コンクールは2曲ないし1曲に時間をかけてじっくりと取り組んだり、他校の刺激を受けたりすることができる分、経験することで大きな成長を期待できるのも事実です。いつも活動しているメンバー全員で出場することにより、取り組みに差をつけないでバンド全体のレベルアップをはかっていくには良い方法だと思います。モチベーションの違いなどから、うまくまとまらずに苦労することもあるかと思いますが、それを乗り越えていくことで、社会に出てからも一人ひとり違いがありながら、どう1つの物事をまとめていくかという視点を見出すこともできるようになると思います。
(4)希望者のみ
コンクールに出たい部員だけが出るという方法です。部員数の多い部活では、「コンクール組」「マーチング組」「依頼演奏組」などとグループ分けをして活動しているところもあるかと思います。同じような目的意識を持った部員が集まって、同じ目標に向かって努力できるというところではやりやすい方法だと思います。一方で、一つの部活としてのまとまりをつくろうと考えた時に、異なる経験が互いに活かし合えればいいですが、混じり合うことができなくなってしまう可能性もあるような気がします。
ここで書いたことは、あくまで自分の私見ではありますが、大切なのは、みんなが納得した方法、全体の意識がより向上していく方法で決めることのように思います。わだかまりが残っている中では、必ずどこかで綻びが出るものです。
吹奏楽は集団で音楽をつくり出す形態。
それだけに、チームワークはとても大切なことです。
そして、全体を高めていくためにどうすればよいかは、集団によって異なるものです。
個の力を向上させる方法にも、チームワークを高める方法にもいろいろな方法があります。ただ他の学校がやっているからという理由だけで形だけ真似をするのではなく、目の前のメンバーが一番生きてくる方法を探すことが大切だと思います。焦らず、互いの信頼関係をつくり、じっくり取り組んでいくことが必要です。
他人との競争だけでは息苦しくなるものです。できれば負けず嫌いで戦うのではなく、自分自身がもっと上達したい、もっと探究してみたいと思う気持ちを原動力にして挑戦していけたらいい気がします。そういう人が集まった集団には底力があると思いますし、チームワークもよいような気がします。
集団でつくりあげる音楽だからこそ、気持ちを少しずつ合わせていこうとすることもとても大切です。個を高めて集団づくりをする方法もあれば、集団の力で個を高めていく方法もあります。大事なのは、集団としてどうあるべきかというところな気がします。
「何がいい」と決めつけてしまわずに、今の集団をどのように成長させたいか、どうやって成長させていくことが一番理にかなっているか、一人ひとりのメンバーの顔を思い浮かべながら考えていきたいものです。

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