持久力=根性ではない! ~自分を痛めつけずに上手くなる~

日本の吹奏楽部は練習、練習で、練習時間が非常に長いなと個人的には思っています。
また、甲子園の野球応援で攻撃しっぱなしのときとか、強豪校の練習を見学したときなど、よくもまぁあんなに吹き続けて、しかも外さないでバシッと吹くよな、と持久力がない身としてはついつい感心してしまいます。本当によく訓練されているのだな、と感心させられる部分もあります。
しかし、筋肉を傷めつけて、自分を徹底的にしごいて、根性で上手くなるというのは、時代錯誤だと思うのです。
スポーツのトレーニングで、少し激しめに筋肉を使った後は少し休ませるという話を聞いたことがあります。楽器の練習も同じで、筋肉に疲労がたまった状態で酷使しても「口を壊して」しまうことがあります。
そのために大切になってくるのが、まず『1日のウォームアップ、クールダウン』です。
ウォームアップは自分なりに決めたパターンで続けることで、筋肉をほぐすだけでなく、その日の自分の調子をはかるいいチャンスになります。ウォームアップの時点で普段となにか違うような感覚があった場合、筋肉がなじむまで、無理せずゆっくりと音出しをしていくことが大切です。その時間をまず確保できるか、ということも1日の練習計画を立てる中では大切なことだと思います。
また、場合によってはウォームアップよりも注目したいのがクールダウンです。よく、メジャーリーグで登板の終わったピッチャーが肩に大きなプロテクターのようなものをつけている姿をTVで見かけますが、それに相当することを毎日の練習後に行うことは大切です。金管楽器の場合なら、だんだん締めていた筋肉をゆるめていくというか、具体的には低音を徐々に小さい音で吹いていくような作業をすることがクールダウンになります。
翌日本番などの日はあまりほぐし過ぎない方が良い、とラッパの先生に言われたことがありますが、基本的には、少し口のまわりの筋肉をマッサージしてあげるくらいのことも必要かもしれません。
次に大切なのは、『休憩をとること』だと思います。
以前もブログに書いたような気がするのですが、休憩をとることは大切で、プロの奏者でも15分吹いたら10分休憩、などバテる前に休憩をとるようにしているといわれています。
このあたりのことは、荻原明さんのブログ「ラッパの吹き方」(http://trp-presto.jugem.jp/?eid=10)にもくわしく書かれているので、参考にされると良いかと思います。
このように考えていくと、休憩を殆ど挟まずに一日中吹き続ける練習なんて本当はナンセンスなように思います。吹きまくって根性で持久力をつけるのではなくて、練習に緩急を持たせて、自分の筋肉とココロを痛めつけてしまわないようにしていきたいし、子どもたちに向けてもそう仕向けていきたいと思うのです。
もっと長い目で見て、本当に奏者が潰れてしまわないように練習計画をたてたり、練習を進めていけるとよいのかもしれないなと改めて思います。
それが、上達への早道なのかもしれません。
(Twitterまとめ)

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