聴衆を自分の旅に一緒に連れていこうと思うだけで充分 ~キャシー・マデン先生の授業を受けて~

昨日は個人レッスンに続き、Thinking Bodyの授業もキャシー先生が担当ということで、とても贅沢な時間を過ごすことができました。自分は授業ではアクティビティはやりませんでしたが、他の方のアクティビティを見学して、そこから学ぶことも非常に多かったように思います。英語力のない私の理解なので誤解している部分もあるかもしれませんが、気づいたこと、学んだことをまとめておきたいと思います。
授業はまず、キャシー先生が普段から大切にしている言葉から始まりました。
・Constructive conscious kindness to yourself. (あなた自身を思いやる建設的な意識)
・Cooperating with your design. (あなたのデザインと協調すること)
・Supporting your desires and dreams. (あなたの望みと夢をサポートすること)
キャシー先生は、上記のことを実践するためにアレクサンダー・テクニークを教えておられるそうです。
またキャシー先生は、今年はアレクサンダー・テクニークを使うことを「ming-suru」という動詞に置き換えておられました。では、何のためにアレクサンダー・テクニークを使うのか。次にそのあたりのことをお話しして下さいました。
I ming-suru so that … (私は…のためにATを使う)
 ・I do music skills. (音楽的なスキルをするために)
 ・I do performance skills. (演技をするスキルをするために)
 ・I do to invite my audience on this journey. (聴衆をこの旅に招待するために)
 ・for a specific results. (特別な結果のために)
 ・to save my life and the world. (自分の人生と世界を守るために)
このように考えると、アレクサンダー・テクニークはどんなことにも使えるけれど、その根底には自分自身の望みがあることが大切なのだなと改めて思いました。
また、アクティビティが進むにつれて出てきたキャシー先生の言葉には次のようなものがありました。
「音はpictureの一部」
「聴衆を自分の旅に一緒に連れていこうと思うだけで充分」
「聴衆と親密であることを見つける」
「聴衆と一緒にいて、自分の方へ招待して、相手の反応を受け取ることで自分が変わる」
これらの言葉を聴いて、改めて“聴衆”という存在の大きさを感じました。もちろん、練習の時などは必ずしも聴衆がいるとは限りません。でもまず自分自身が一番の聴衆であり、一番の自分の演奏のファンでいることがもしかしたら大切なのかもしれないなと思いました。自分と聴衆、音楽と物語、すべてはつながっていて、どれも欠けては物足りないものになってしまうような気がします。
ともすると、人前で演奏することは緊張もするし、思うように吹けないこともあります。でも、奏者同士が音を受け渡し、共に一つの世界をつくりあげていくのと同じで、そこに聴衆という存在があって、一緒に旅に連れていこうとはたらきかけることによって、音楽の世界はより広がっていくようにも思います。
この他にも個々のアクティビティを見学させて頂いて改めて学んだこともあったのですが、それはひとまず心の中においておくとして、この「聴衆を旅に連れて行く」という意識を大切に自分自身も奏でていきたいし、生徒たちを指導するときにも大切にしていきたいなと思いました。
まずは、目前にせまった吹奏楽コンクール。
聴いている人を、生徒たちが奏でる音楽の旅にご招待できるように、自分も頑張っていこうと思います。

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