どんなときもユーモアを忘れずに生徒と向き合うこと ~バジル先生の講座に参加して~

昨日はバジル先生のアシスタントとして、国分寺市立第五中学校の吹奏楽部にお邪魔してきました。
初めてのアシスタントということで緊張と不安でいっぱいでしたが、結局のところ見学をたっぷりさせていただいた感じでとても勉強になり、得してしまいました(^-^) 今日のブログはその講座で気づいたこと、自分自身が学んだことの備忘録です。
1.グループでの話し合い
① できるだけ楽器・学年バラバラに座って、5~6人ずつグループをつくって、円になって座る。
② グループで話し合い(約10分)
[テーマ]
 (1)今日教えてもらいたい、こんなことを教えてもらえると思ったこと
 (2)普段楽器をやっていて、悩んでいること、もっとこうしたいなと思っていること
[生徒たちから出た意見]
 ・楽器を吹くときの姿勢
 ・無意識に姿勢を悪くしないためにはどうすればいいか
 ・リラックスすること
 ・音色と音量がバランスよく出せるようになること
 ・本番の緊張をどうするか、緊張すると吹けないこと
 ・少人数になると、緊張して吹けなくなる
 ・1つの音を合わせると他の音が合わなくなってしまうこと
 ・音楽について
 ・基礎合奏をどうすればいいか
 ・タンギングをうまくするにはどうすればいいか
 ・力吹きになってしまう
 ・高い音の出し方
 ・音が減衰してしまうこと
 ・音を外してしまうこと
 ・練習に対する気持ちや姿勢
 ・後輩の教え方
 ・音色がどうしたらきれいになるか
 ・初見がしづらい
 ・吹奏楽をやる上での大切なこと
 ・日々のコンディションの保ち方
 ・みんなの音がまとまらない
 ・フィンガリング
 ・小分けでとできるが、通しになるとできなくなる
  →やった回数の違いが影響している。通し練習を増やしては?
小グループで話し合わせると、次々と意見が出てきて、一人ひとりの意見が反映されやすいなと感じました。全体の前で話すのが苦手な子でも、こういう形式であれば、普段悩んでいることを言えるのかなと。さっそく自分のところでも取り入れて、生徒たちが今何に困っているのか、悩んでいるのかをもっと把握できたらいいなと思いました。
その後、「1番知りたいことは?」という質問に対して多数決をとりました。その結果、「音色について悩んでいる、知りたいと思っている」という生徒が一番多いことが分かったので、そこから取り組んでいくことになりました。
2.全体でのアクティビティ

①ハモりがうまくハマらない(Fl)
(1)2人で1フレーズ吹いてもらう
(2)普段出している声と同じ高さでハミングをしてみる
  →唇やのどなど、いろんな部分が振動していることに気づかせる
(3)声の高さを上げていったり、逆に下げていったりすると、響く場所が変わっていくことを意識させる
(4)裏声も使ってできるだけ高くまで上がったり、下がったりすると、裏声を使っているときに響きがどこにあるかを確認してみる
(5)できるだけ極限まで高い声を出した時にどこが響くかを確認してみる
  →頭のあたりまで響きが移動していることがわかる
(6)できるだけ低い声でハミングしてみる
  →胸やお腹のあたりまで響くようになることがわかる
(7)仕上げとして、普通の声からいったん下がって、極限まで上がって、極限まで下がってみる
  →息の練習にもなるし、響きの確認にもなる
(8)同じフレーズをもう一度吹いてもらう
  →ただでさえいい音だったのに、音楽室中を響かせるとても素敵な演奏に生まれ変わりました
⇒音程が合っていなくても、響きのある音(dB上大きくなくても、よく響いていれば通る)を出せていれば、音程のずれは気にならないし、「絶対負ける」チューナーに「勝とう」としなくてもよくなる。
⇒調子が悪いなと思ったら、まず声を出したり、歌うことから始めてみる
⇒ハミングのほか、猫の鳴きまね(響きの確認になる)、ゴリラの鳴きまね(腹筋を使う練習になる)、サルの鳴きまねなどもやってみると、音が全然違うものに生まれ変わっていく。
⇒思ったことや感じたことをシェアしておくと、自分の脳に人がやったことを定着させることができる。
②高音が吹きづらいなと思ったときには
これから吹こうとしている音を声に出して歌ってみる。「音を出す」とは、息を出して何かを振動させているわけだから、声という無意識のうちに出せるもので響きを確認しながら吹いてみることは大切。
[みんなで確認してみる]
(1)グループごとに、1人ずつ楽器を吹く
(2)声を出してみる
(3)楽器を吹く
(4)違いを確認する
⇒本当に一人ひとり変わっていったし、みんな楽しそうに取り組んでいました。
③正しい姿勢とは?(Trb)
・腰を張ってお腹を前に出して、背筋をピンと張ると、余計な力が入ってしまい吹きづらくなる。
 ↓
・まずダラっとして、目を使って前後左右をゆっくり見る(目からリードして背骨を長くしていく)。
 ↓
・「マウスピースのリムを口に持ってくる」と考えて動作する。
 →このとき、体を後ろに持っていく必要も、前に持っていく必要もない。自分のいる位置にマウスピースをもってくるだけ。
⇒みんなでB♭の音を伸ばしてみると、段違いに音の響きが増していました。
④指示が通らないとき、どうすればいいか?(学生指揮)
(1)全体が暗い雰囲気のとき
 →ユーモアが大事
 ⇒奇抜なことをしてみる
(2)ぼーっとしている人がいるとき
 ⇒興味を引く工夫をする
★指示が通らないと思ったら
 人に褒められたときの記憶と、いやなことを言われた記憶では、後者の方が記憶に残る。
 だから、周りを見回してみて、1人でも食いついてきていたら、それでOKにしてみる。
 食いついてこなかったら、相手のせいと思ってスルーしてしまうのも悪いことではない。
 
★完璧主義が足を引っ張ることもある
  「完璧主義は全身を妨げる怠慢だ」(ジュリア・キャメロン)
 →「今の音を1cm伸ばすことができるか、伸びたらそこに何があったか」を考えることで、
  次の1cmに向けて努力することができる。それを積み重ねていけばいいだけ。
 →前に立つ人は、伸びるために何をすればよいか、客観的にアドバイスできればいい。
 →完璧主義ではなく、向上心をもって練習に臨むこと。
★悩んだり、迷ったりしたときには
 前に立っている人が迷ったり悩んだりしているときには、素直に「わからない」ということを伝え、奏者側にアイディアはないか投げかけてみるのも一つの方法。
 →「ちゃんと○○して!」は禁句!
   言われてもどうしようもない言葉は、言われてもいい言葉に置き換える練習をしてみる。
楽しいことや工夫が「上手くなるための秘訣」である
★信頼関係を大切に
 練習で信頼関係を築いてチームワークが良くなれば、本番が楽しくなって仕方がなくなる。
 →正直に教えてくれる先輩の方が、威圧的に偉そうなうんちくを並べる先輩よりもいい。
こんな風に講座は進んでいき、あっという間の2時間でした。
とても明るくて元気で素直な子どもたちで、どんどん姿勢も音も良くなっていくのを肌で感じて、子どもたちも「すごい!」と口々に嬉しそうに話しているのが印象的でした。
やっぱり心をほぐして、ユーモアを大切に、子どもたち自身の力を高めていけたらいいなと思います。とても勉強になりました。本当にありがとうございました。

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