日本吹奏楽指導者クリニックに参加して① ~1日目の概要と雑感~

昨日から浜松で行われている「日本吹奏楽指導者クリニック(JBC)」に参加しています。就職11年目にして初参加なのですが、非常にためになることも多く、充実した時間を過ごしています。
さて、今日のブログでは昨日の講座を受けての概要と感想をとりあえずまとめておきたいと思います。
〔バンドスタディⅠ 吹奏楽指導とは?〕
・プロに対して「指導」という言葉は用いられない。指導とはアマチュアに対して行うものである。だからこそ、「好き」という気持ちをそれぞれの発達段階に合わせて育てていくことが大切なのではないか。
・「好き」という気持ちを育てるためには、まず自分の楽器をある程度操ることができるようにならないと面白くない。そのためには指導者が各楽器の音を出すまでいかなくとも理論をきちんと知っておく必要がある。
・合奏を進める上でも「合わせなくてはならない」だとつまらなくなってしまう。「音が出た」「できるようになった」という快感を生かし、自分のバンドの状態に合った方法を体験させていくことが大切。
・小学生でも〝中学では吹奏楽ではもういいや”という声をよく耳にする。そうならないように、「やり残す」ことも大切。
・指導者が理論を学んだら、そのままの言葉で伝えるのではなく、発達段階に合わせた説明ができるようにする必要がある。
・低学年の場合、理論からではなく、実技から学ばせることも大切。
  →イメージが頭の中でつくれればできる
  例)息の吸い方: のどを上げるのと下げるのではどちらが吸いやすいか
    アインザッツ: じゃん、けん、ぽん で合わせる
ブレスコントロール:ろうそくに例える「ろうそくの炎を一定に倒しておいて最後に消す」など
・子どもたちの「はい」に騙されずに確認をすることも大切。
  →分かっていないのに「はい」と言って先に進むjことを防止する。
  例)うなりの確認: 実際に聞こえたように手を動かさしてみる
・バランス
  →音量だけでなく、音色のバランスも考えて演奏する。
  →まずいい音で鳴らすことを大切にして、それから「合わせる」がくるように
・スケールの練習
  少なくとも曲に出てくる調はさらっておく必要がある。
・いい音楽を聴き、名プレイヤーの体の動きを感じることで「朱に交われば赤くなる」
  →「こういう音」というイメージがないと出せない。
  →音楽のアピールにもつながっていく
〔楽しいコンサートのための演出と構成〕
・とにかくお客さんの視線に立って考える。
  →客席のどこから見ても楽しめるように、実際に確認してみる
・前に出てくるときの立ち位置(センターはどこか)、視線の確認
・動きは大げさに!
  →どうやったらお客様に喜んでいただけるかを考える
  →これが結果として演奏につながってくる
・曲間の使い方を工夫して、お客様を飽きさせない
  →ピアノやゆったりした曲でMCのBGMを入れてみる、など。
・選曲もいかにお客様と一体になれるものを選んでいけるかが大切
  →ご当地ソング、「~周年記念曲」、季節もの などなど
〔指揮法講座Ⅰ〕
・演奏者に見えている自分すべてが「指揮」ということを意識する
・力が入っていると「聴こえ方」も変わっていくる
  →脱力していると、素直に音をきくことができる
・指揮の基本動作
  →腕の筋肉の使い方
  →打点が同じ場所でたたけるか
  →手首だけでも触れるようにする
〔ウェルカムコンサート〕
・出雲市立出雲第一中学校
・玉名女子高等学校
〔感想〕
「お客様をどうやったら楽しませることができるか」「演奏者の”好き”という気持ちを大切にする」という言葉がとても引っかかりました。やはり子どもたちの「好き」という気持ちを踏み潰してまで指導というものはできないし、「好き」という気持ちがあってこそ、音楽に気持ちが入っていくし、機械が奏でるのではない、人間だからこそ奏でられる音楽を生み出すことができるように思います。
やっぱり音楽は「楽しむ」ことが一番。その気持ちをどう引き出せるかが指導者の腕にはかかっている気もします。今日から講座の内容も一歩踏み込んだものになってくるので、引き続きいろいろなことを吸収していけるように頑張りたいと思います。
ウェルカムコンサートの出雲一中、玉名女子の演奏もとても素晴らしく、技術的なことはもちろんですが、「お客様に聴かせよう」という気持ちが客席にまで届いてきました。出雲一中は4月に赴任されたばかりの先生の指揮ということで、まだ慣れない部分もあったのかもしれませんが、伝統校らしく、堂々と演奏していたのが印象的でした。玉名女子高は、マーチングで有名な学校だということもあって、とにかく「鳴る」なというのが第一印象でしたが、座奏でもいろいろな音色を使い分けながら演奏されていて、とてもいいサウンドをもった学校だなと思いました。
あとは自分がトランペットのせいもあると思いますが、玉名女子高校のトランペットのトップの子が、ハイトーンを吹かせても、フリューゲルのソロを吹かせても、テクニック的に難しいソロを吹かせても、サンバのソロを吹かせても、とても上手で、個人的にうらやましくも思ったり、もっとラッパもうまくなって、ああいう風に堂々と演奏できたら楽しいだろうなと思いました。
 
あと残り2日間。今日もたくさんのことを吸収し、たくさんのいい音を聴いて、自分自身を高めていきたいなと思います。

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