苦手意識がより苦手にさせる ~ATレッスン記録~

今日も引き続き、先日のレッスンの様子を振り返っていこうと思います。
今日は、ホルンの方の「低音が鳴らない」という相談についてです。私自身、たまにホルンを吹くことがあるのですが、基本ラッパ吹きなので高い音は得意でも、低い音を出すのは苦手です。そういった意味でもすごく参考になるお話でした。
まず、低い音を大きく鳴らすために必要なことは、何でしょうか。
それは、「息をたくさん入れて大きく鳴らしてみる」ことです。これは、「大きな音」を出す時の優先順位1位になることです。まず息の量が多くなかったら、大きな振動を支え続けることはできませんから、音は大きくなりません。
でも、人間には邪念がよぎるものです。
「大きな音で低音を吹かなくてはいけない」ということに加えて「きれいな音で外さずに吹かなくてはいけない」という思考も同時に持ち合わせてしまうものです。そうすると、自然と入れる息の量も減ってしまいます。
この方も例外ではなく、音を外してしまうと「あっ」と言って、その都度気にされているようでした。
それに対してバジル先生は「譜面に『あっ』とか書いてありますか?」とおっしゃいました。
もちろん「あっ」なんて書いていないわけですが、私もついついやってしまうことだなと思いながらレッスンを見ていました。
このレッスンを通して学んだことは、大きく3つあります。
①「自分は○○が苦手」という意識が苦手をより苦手にさせている。
「自分は○○が苦手」だと思うと、「間違えてはいけない」「外してはいけない」という思考がより強まるような気がします。それがかえって自分を消極的にさせて、たくさん息が必要なところで足りなくなってしまったり、必要なセッティングができないまま焦って吹いてしまったりということにつながるような気がします。苦手だからこそ、立ち向かっていくくらいの勇気が必要なのかなと思いました。
②3回自分にチャンスを与えることで、自動アジャストが効いてくる。
苦手なものを一発でできるようにするのは至難の業です。でも自分に3回チャンスを与えてあげることで、1回1回原因を考えて修正する中で「これだ」というコツを見つけていくことができるのです。よく吹奏楽の練習だと「一発退場」という厳しい訓練があるかと思いますが、それはナンセンスだなと改めて思いました。
③コツは見つかったときにわかるもの
よくレッスンに行くと、「○○のコツを知りたい」と思うものです。でも、コツなんて実は人によって様々で、人からアドバイスを受けることができたとしても、コツをつかむのは自分で、自分でつかむまではコツは本当の意味では分からないよなと改めて思いました。できたときにはじめて「これだったのか」と思うのが本当のコツだということが分かりました。
苦手意識を持つな、ということは難しいかもしれないけれど、「自分は○○が苦手だ。ダメだ」と思うのではなくて、「自分は○○ができるようになったら、もっと表現の幅を広げることができる可能性に満ちた奏者だ」とプラス思考に考えてやってみるのもいいな、と思いました。

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