アドリブは本当に即興でやるもの? ~ATレッスン記録~

昨日に引き続き、先日のアレクサンダー・テクニークのレッスン記録です。
今日は、ヴォーカルの方のレッスンで気づいたことをまとめていきたいと思います。
その方が歌っていた歌は、

という歌で、思わず笑い出してしまいそうな歌詞なのですが、参加者みんな最初はどう反応してよいのか分からない様子でした。
そこでバジル先生がおっしゃったのが、
「これからこういう歌を歌います、ということを伝えてから歌うと関係性ができてよいのでは?」
ということです。
確かにライブを聴きに来る人は、そういう面白い歌を歌うと分かって来る人がほとんどで、分かっているからこその反応をすることができますが、もし分かっていなかったら反応に困ることもあるかもしれません。
今ちょうど私の部活は定期演奏会前で、MCの台本チェックをしていたりするのですが、こういう視点もMCには大切なのかもな、と改めて思いました。
また、歌の他に、「フリをつけようとしたときに、身体を引いてしまう」ということが指摘されていました。
レッスンが進んでいくうちに、その原因は「アドリブはその場で考えてやらなくてはいけない」という思いから、
心のどこかにある「どうすればいいだろう?」という迷いが出てしまうことにあることが分かりました。
そこでバジル先生は次のようなことをおっしゃいました。
・即興は練習の積み重ねで、レパートリーをたくさん持っている中から生まれる。ジャズのプレイヤーでも、自分のソロは楽譜に書き起こして何度も練習している人はたくさんいる。
・生でライブで歌うにしても、脚本をきちんと立てておいて、ちょっと遊んでも、元に戻ってこれるようにプランをつくる
・曲のストーリーに添うことを選択していく。
確かに、いくらアドリブ・ソロとはいえ、自分もかつて吹いた時には何パターンか用意して練習しておき、当日のノリや調子に合わせて選んで吹いていたな、ということを思い出しました。
コンチェルトのカデンツァでも何パターンか譜面が用意されていることが多いです。その中で、演奏者がどれかを選んだり、組み合わせたり、さらに工夫を凝らしたりすることで、「自分のカデンツァ」を生み出しているのです。
お笑いの方にもネタ帳があるように、一見アドリブでやっているように見えるものでも、実は日々のいろんなことの積み重ねの上に成り立っていることって多いんだよな、と改めて思う出来事でした。
それにしても、最後に「ミュージカルだと思って自由にフリをつけて」というバジル先生のアドバイスを元に演技付きで歌われた時は、ものすごい迫力だったし、すごい楽しいステージを共有させてもらってお得な気分になりました。やっぱり、その人その人が持っている得意なところを十分に生かしたステージ作りって大切だよなと思いました。

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