『そこそこ』をどうやって引き上げていくか ~ポイントは自己肯定にあり!~

昨日、Twitter上で次のようなツイートを発見しました。

楽器演奏は『そこそこ』できるようになってからの先が大変です。そこそこ形が整った程度の状態でも、合奏等で、ある程度演奏を楽しむことはできるので、そこで満足してしまう方もいるでしょう。しかし『そこそこ』を越えた先にこそ、音楽の感動があります。頑張れば報われますよ!
(鈴木サキソフォンスクール(サックス) ‏@SuzukiSaxさん)

確かに、そこそこできるようになるとある程度楽しむことができるようになります。
例えば、楽器を初めて1年くらいは、
・音が出るようになる
・音階が吹けるようになる
・かんたんな曲が吹けるようになる
といった具合に、「できるようになる」ことが多くて、練習していても楽しい時間が続きます。
その段階を過ぎると、
・なかなか目に見えて上達しない
・難しい曲に挑戦するが、なかなかできない
というように、今までぐんぐんと伸びていった上達曲線がいったん飽和状態になり、「できない」と思うことが増えるようになります。
もちろんそこで、
・だからもっと吹けるようになりたい
・もっと練習してできることを増やしたい
という前向きな気持ちをつくることができれば一番いいわけですが、必ずしもそうはいかないのも人間の性というやつなのかもしれません。それはある意味仕方のないこととも言えるでしょう。
でも、『そこそこ』形になってしまったところで満足してしまうと、その先にある本当に心を揺さぶるような演奏にはたどり着けません。つまり、本当に音楽をやっていて面白い!と心から思える瞬間には出会えずに終わってしまうことになりかねないのです。
ただし、ここで問題があります。
それは、『そこそこ』を引き上げるためのアプローチの方法です。
このアプローチがが上手くいかないと、逆効果になってしまうこともあります。
たとえば、指導に熱が入り、下手に怒鳴りつけたり、奏者を自己否定サイクルに追いやる空気をつくってしまう場合などが想定されます。
もちろん、「これくらい吹けてりゃいいじゃん!」「えーこれじゃだめなの」にならない雰囲気づくりは大切なことです。
でも、「だからもっとやれ!」「ここがダメだから直せ!」と言うだけでは、奏者は「自分がダメだから演奏がよくないのだ」「こんな自分のままではいけない」となってしまったり、音楽そのものが楽しくなくなってしまうことにつながってしまうかもしれません。
厳しく言われて嫌になるくらいだったら、辞めてしまえばいい。
もしかしたら、これも一つの考えでしょう。
でも、せっかく興味をもって始めた音楽を、それで辞めてしまうのはもったいないことだなと思うのです。
もちろん、強制はしません。ただ、「もっとやりたい」と思えるようなアプローチをしていくのも指導者の務めだと思うのです。
そのために大切なことは、奏者に「自己肯定感」を持たせることだと思います。
私たちには元々、自分のしたことを振り返って、反省するという機能がついています。
逆に、自分のしたことで良かったことをみつけて、褒めてあげたり、自信を持ったりということが苦手な人は多いように思います。
「初心を忘れない」という言葉の奥底には「少しでもできるようになった面白さを忘れない」という意味も含まれているような気がします。
そういう意味では、「少しでもできるようになった」ことを“良い出し”してあげることも指導者として大切なことだと思うのです。その少しずつの自己肯定感の積み上げが、「もっとやりたい」という思いを生み出すと思うからです。
音楽には限りがないから面白いし、どこまでも突き詰めていけるから辞められない気がしています。
いろいろな考えをもった人間が沢山集まったからこそできる音楽を、立場関係なく信頼関係を築きながら共に作り上げてあけるといいのでしょうね。そこが吹奏楽やオーケストラなど、大人数で一つの音楽を作り上げる醍醐味ともいえると思います。
その楽しさを奪わないような指導を、日々心がけていきたいものです。
(Twitterまとめ)

徹底自己肯定楽器練習法?幸せな音楽生活が始まる新しいアイデア?
きゃたりうむ出版
2014-03-28
バジル・クリッツァー

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by 徹底自己肯定楽器練習法?幸せな音楽生活が始まる新しいアイデア? の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル

iQiPlus

『そこそこ』をどうやって引き上げていくか ~ポイントは自己肯定にあり!~” への1件のコメント

  1. フィードバックをどう返していくか? ~前向きに頑張れるようにするために~

    バジル先生が、先日のブログ(http://rapparapa.at.webry.info/201404/article_6.html)をFacebookでシェアして下さったのですが、そのコメントが目からウロコだったので、そのことについて少しつぶやいていこうと思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。