タテを合わせるにはどうすればいいか? ~「合わせて」で合うなら苦労しない~

「タテを合わせて~!!」
「タテが合ってない!!」

今まで吹奏楽やオケをやっていて、何度耳にした言葉でしょうか。恐らく経験されている方なら、当たり前のようにいわれる言葉の一つだと思います。
しかし、この「タテを合わせる」というのは意外とやっかいなことです。なぜなら、タテをわざとずらそうと思っている奏者は基本的にはいないはずだからです(演奏上わざとずらす場合もありますが・・・)。
では、なぜ「タテがずれる」という現象が起こるのでしょうか。
大きなヒントになることが、一般の吹奏楽団で指揮を振られているしぶさんという方が書かれているブログの中に書かれていました。
「自分が正しいと思って演奏してごらん」
「自信をもって演奏してみよう!」

しぶさんのブログ(http://shibusan-chi.com/?p=403)より
そうなのです。一番「タテがずれる」要因になっているのは「奏者の自信のなさ」「合わせようと意識するばかりに力んでしまう」ということなのだと思います。頭から思い切りよく吹くのは意外と勇気のいることです。その一瞬のためらいが、「タテのずれ」の要因になっているということは大いにあるかと思います。
しかしもちろん、自信があればタテはずれないのかというとそうでもありません。
特に小中学生など楽器を始めたばかりの人は、まだ楽器を自然に鳴らせていないということもあるかと思います。無理矢理振動をつくろうとして頭に息の音が入ってしまったり、タンギングで音を出してしまったり・・・。このように、唇やリードを、音を出そうと思うタイミングで振動させられるか、振動を作ることができるか、というのは最大の課題ともいえるかもしれません。
そのためにもまずは、前にもブログに書いたように「音は振動」ということを意識して、楽に自然に楽器が鳴ってくれる状態になる感覚をつかむことが大切かと思います。
また、音の出だしの「タテ」があったとしても、音の移り変わり目でずれてしまうこともあるかと思います。気になるところとしては、ハーモニーの移り変わりや速いパッセージなどでしょうか。
(1)ハーモニーの変わり目でずれる場合
前にとあるオケの練習で、プロのホルン奏者の方に指導していただいたとき、目から鱗の指導をしていただいたことがあります。それは、
「そこ、ハーモニー聴かせようと思って次の音の準備してごらん」というものでした。決して「タテを合わせろ」とはおっしゃらずに、そのような言葉で指導していただくとどうでしょう。今まで合っていなかったタテが、見事に合うようになったのです。これは私が指揮を振るときにも活用させていただいていますが、本当に合うようになります。頭の中でハーモニーが鳴っていれさえすれば、自然と合うものなのかもしれませんね。特にゆっくりな曲の場合、指を動かすのまでゆっくりになっていたり、息のスピードが極度に落ちていることも考えられます。自然にハーモニーを切り替えていくためには、そういうところも気遣えるとよいのかもしれません。
(2)速いパッセージでずれる場合
圧倒的に指が回っていなかったり、息のスピードが遅れている場合が多いように思います。ゆっくりからさらえ、というのは定番ですが、ゆっくり指を確認したら、あえてインテンポに近いところで練習すると速くできるようになります。というのも、ゆっくりでさらうと前述の通り、指を動かすタイミングや息のスピードまで落ちてしまうことが多いからです。もちろん個人練ではゆっくりさらってみることも大切ですが、パート練習や合奏では、ある程度のテンポでさらってみることを最近は勧めています。
あと、一人ひとりがテンポに乗れていないがためにずれることもあります。この際は、ベルトーンなどでは歌いながら自分の出る場所で立ち上がる練習をしてみたりというように、少し遊び心をいれて、リラックスしてのぞめるとよいかもしれない、というのも工夫の一つだと思います。
このほかにもいろいろとあるかと思いますし、私見ですのでいろいろ思う方はいらっしゃるかもしれません。また、合奏をやる中で気づいたことがあったらつぶやいていこうと思います。

iQiPlus

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。