辞めたくなったら初心に返る ~一度、立ち止って考えてみることも大切~

「あー、もう部活なんて辞めたい!」
と思ったことはないでしょうか。
残念ながら、自分は学生時代、部活をしに学校に行っていたのでその気持ちが分からなかったのですが、就職して生徒と話していると吹奏楽部に限らずよく耳にする言葉ですし、自分自身も楽団の練習になかなか行けなくなったりしたときや思うように吹けなくなっている時に、そう思ったことがありました。
そういう時は、いったん完全に音楽と離れてしまうのも一つの手です。
もしそこで再びやる気が起こらなかったら、自分の中で音楽の存在なんてそんなものなのです。でも、そこで猛烈に楽器を吹きたいと思ったら、やっぱり心の奥底に「やる気」がしっかり育っていたのだと思います。
特に中高生は楽器の腕も、心も身体も大きく成長するときです。時には思うように上達せずに、楽器を辞めてしまいたいと思うこともあるかもしれません。でも、そんな時には初心を思い出して下さい。みなさんはそれぞれ「音楽が好きだから」「先輩達の演奏がカッコ良かったから」「楽器を演奏できるようになってみたかったから」など、一人ひとり何らかの思いがあって、この部活を選んで入ってきたのだと思います。初めて楽器を持って音が出た時の喜びを、先輩たちと初めて乗った本番のドキドキワクワクを思い出して下さい。今の自分は、きっとその時よりもたくさんの経験を積み重ねて、演奏の幅も広がっているはずです。楽しいことも、辛いことも体験しながら、できるようになったこともたくさんあるはずです。ついつい「できないこと」に目が向きがちですが、ぜひ「できるようになったこと」にも注目し、「なぜできるようになったか」を思い出してみて下さい。きっとそこに、たくさん上達のヒントが隠されていると思います。それを練習日誌に書き留めておくと、あとで何にも代えがたい宝物になると思います。
学習でも同じことが言えます。今までテストで50点を取っていた人が、いきなり100点を取れるようになるということは残念ながらなかなかありません。でも、50点だった人が60点、60点だった人が70点のように、自分の苦手な所と向き合うことで少しずつ結果を向上させていくことはできると思います。楽器の演奏も同じです。中1で楽器を始めたばかりの子が、5年間練習を重ねた高2よりもいきなり吹けてしまうということはないでしょう? 5年間という時間をかけて、少しずつ自分のできることを増やしていったから、演奏技術は磨かれていったわけです。それを毎日という単位で割ってみたら、本当に成長の度合いは目に見えないくらいかもしれません。でも、必ずできることは増えている、そう信じてまた楽器を、音楽を楽しんでいけたらいいなと思います。
Basil Kritzerさんがブログ上でこんなことを書かれていました。
音楽したいから音楽する。吹きたいから吹く。ただそれだけで本当に成長していきます。
自分をイジメなくても、自分を叱らなくても、自分を痛めつけなくても、あなたは上手くなっていきます。成長していきます。そういう能力を持っているということを信頼してほしい。

素敵なメッセージだと思います。辞めたくなったり、つらくったときは、この言葉を糧にしていけるといいなと思います。
(部内通信より)

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