好きの力を信じる

先日、『ゲゲゲの鬼太郎』などで有名な漫画家の水木しげるさんが亡くなりました。生前、水木さんは「好きの力を信じる」という言葉を残されていたそうです。今日はその言葉から考えたことを書いていきたいと思います。
物事の上達には「厳しい練習」「辛い訓練」が必要だと考える人も少なくないかと思います。
しかし、決してそうとは限らないと思います。
確かに強制的に訓練を積み重ねることで何とかなる部分もあることは否定しませんが、何のために行われていたのか理解せずにやっていただけではその場限りの力になってしまいかねません。
厳しくなくても、辛くなくても、上達することはできます。それは、心から自分が上達したいと願うことから始まり、実現するための方法を見つけて実行し、それを続けることで実現するように思います。
ここで大切なのは「続けること」にあるような気がします。
上手くなるためには、どうしても時間がかかります。上達するのに近道はあっても、その道を信じて自分の足で歩いていかなければ目的地にたどりつくことはできません。少しずつでも歩もうとすることが大切なのです。
ダラダラと時間をかけるのはもったいないことですが、時間をかけることを惜しまずにやってみることはとても大切なことです。
ただし、やったからといって、やった分だけいつも上手くいくことばかりではありません。なかなか思い通りにいかず、悩んだり、迷ったりすることもあると思います。そのような時に自分を助けてくれるのが「好きの力」なのだと思います。
やってみることで得たことは、たとえそれが失敗だったとしても、原因をたどってみることで、何かしら上達の源になるものです。逆にいくら時間をかけても、自分にその気がなかったらなかなか上達にはつながりにくいものです。このように、同じことをやるにしても、「好きの力」がはたらいて、前向きな気持ちで続けることができれば、ほんの少しずつかもしれませんが、確実に成長することはできるはずです。
「好きこそものの上手なれ」
という言葉がありますが、まさにその通りだと思います。好きなこと、自分が心からやりたいと望んだことであれば、そのことに懸ける時間は苦痛ではなくなるような気がします。上手くいかなくて悩むことも、上達への一歩だと思って探求していくと、意外と楽しい時間に変わったりするものです。そして、苦痛でないからもっとやりたいという望みが生まれ、必然的にそのことにかける時間は内容も充実するでしょうし、物理的にも増えるはずです。そうすれば、上達もしますし、もっと楽しくなってきます。部活などで上手な生徒に共通した特徴は「本当に好きで打ち込んでやっている」ことだと言ってもいいくらいです。
大切なのは受け身でやらないこと。自分の「好きの力」を信じ、やることを選びとって行動し続けることだと思います。
だからこそ、指導者は先回りして半強制的に「厳しく辛い訓練」を生徒に課すよりも、生徒の「好きの力」を信じて、目先の結果にとらわれることなく、じっくり一人ひとりを育てていくという視点を持てたらよいのかもしれません。そうやって育てていった力は、生徒一人ひとりの中にずっと残るでしょうし、自分自身で道を切り拓くという武器にさえなっていくように思うからです。
「好きの力を信じる」
自分自身も、いつでも自分の望んでいることに正直に、そして探究心をもって事にあたるようになりたいものです。

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