アンサンブルをする上で大切なこと ~原点に立ち返って考える~

現在、私が顧問をしている部活では、アンサンブルコンテストの地区大会に向けて、目下追い込み練習中です。自分でもアンサンブルの本番を終えたばかりですが、改めて一つのアンサンブルをつくりあげていく上で大切なことは何かをこれから考えていこうと思います。

① 一人ひとりが自分の譜面を自信を持って奏でる
これは最低限のことと言ってしまえばそうなのですが、本当に大事なことのように思います。まず自分のパートを自信を持って奏でられるようにしておかなければ、周りを聴く余裕は生まれません。だからこそ、「もっとこう奏でたい」と自分の中から湧いてくるくらい、自信を持って奏でることはとても大切なことだと思います。また、吹奏楽器は自分で音をつくる「作音楽器」です。音程についても、自分のパートを声に出して自信を持って歌えるくらいにしておかないと、音程を合わせる練習にたくさん時間を割くことになってしまいます。まずは、自分の奏でようとする譜面を好きになること。そして自信を持って奏でられるように練習することは最低限必要なように思います。

② 合わせようとするならば、自分を引かない
もちろんメロディーと伴奏のバランスや、ハーモニーのバランスを考えて、自分が出過ぎないようにすることも必要です。でも初めから引いてしまうと、合っているのか、そうでないのかも分からない演奏になってしまうし、第一、楽器がもっている一番いい響きがするツボで鳴らせなくなってしまうことが往々にして出てきます。だからこそ、まずは自分の出せる一番いい音(いい響きがする音)でしっかり鳴らすことが大切なことだと思います。

③ 音価、音の処理の仕方をそろえる
一人ひとりが個人で吹いた時にきちんと吹けていたとしても、音価のイメージが統一されていないと、アンサンブルとしてはそろっていないように聴こえてしまいます。音の形、特に音の処理をどうするかで聴こえ方はだいぶ変わってくるものです。まず声で歌ってみてそろえる練習だったり、テヌート、マルカート、スタッカートは具体的にどのくらいの長さで吹くのか、基礎練習を通して確認しておくことは大切だと思います。

④ テンポ感を共有する
メトロノーム至上主義になりすぎるのも良くありませんが、まず全員で演奏しようとする曲のテンポを手拍子でたたいてみるなど、「ノリがそろっているか」ということを確認してみることも大事なことです。特に強拍、弱拍のとり方が揃っているかというところは大きなポイントになってくるように思います。曲に合わせて踊ってみたり、身体を動かしてみたりするのももしかしたらノリをつかむためにはいいかもしれません。

⑤スコアを見て、合わせる場所を確認しておく
すべて合っているに越したことはないわけですが、最低限、どこでどのようにかみ合っているのか、全体で揃うところはどこなのかなど、自分のパート以外がどのようなことをやっているのかを把握することで、実際に演奏するときにアイコンタクトができたり、「一緒に奏でている」という一体感を感じることができたりするものです。「自分のパートで終わり」になってしまわないように、全体像を把握しておくことは絶対に必要なことだと思います。

今あげた5つのポイントは、アンサンブルを上手に仕上げていくための土台となる部分だと思います。もちろん、少人数のアンサンブルだけでなく、普段の大人数でのアンサンブルでも同じことが言えるかと思います。
少し抽象的な書き方になってしまいましたが、こういったことをまず大切に、指導していけたらなと思っています。

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