トランペットの発音を考える ~ATレッスン記録~

昨日のバジル先生のATレッスンで、トランペットの発音について興味深いことを教えて頂いたので、別にまとめておこうと思います。
一緒に受講されていたトランペットのKさんが、ベートーヴェンの第九を演奏する時の発音について質問されました。
そこでバジル先生がおっしゃったのは「歌うように演奏していませんか?」ということでした。
確かにベートーヴェンの時代、トランペットは「ティンパニとお友達」とよく言われるように、打楽器的な要素が非常に強いように思います。だからこそ、「歌」ではなく「機械的要素」ではめ込んでいくように吹いてはどうか、というアドバイスをされていました。
すると、もともと素敵な音色で奏でられていた音に輪郭が出て、より明確に聴こえるようになりました。
さらにバジル先生は、
「トランペット演奏そのものは『声』だけれど、ボイスパーカッションをやっているつもりで演奏してみましょう。ボイパじゃなくて、トラパですね(笑)」
とおっしゃいました。確かに、トランペットを吹くという行為は歌と非常に深いつながりがあると思いますが、同時にこの時代の曲を演奏する時には打楽器的に吹かなければいけないからボイスパーカッションか!ととても腑に落ちる出来事でした。
またバジル先生は、「『ソソソソソソソソドー』のように、頭の中で音階名で歌っていませんか?」と質問をされました。
「確かにそう歌っているかもしれない」と、Kさん。
頭の中で「ソ」とか「ド」という音をイメージすると、口の中が自然と「o」の発音になってしまう。「レ」なら、「e」の発音というように、実際に音を出す時に必要な舌の高さや発音と違った音を口の中でつくり出してしまっているというのです。
音階名の代わりに「パパパパパパパパパパー」というように、自分の出している音を観客の一人として理想とする音をイメージして吹いてみると、発音の問題が解消される可能性があるときいて、これもまた「なるほどー」と納得させられる出来事でした。
日本人は一般的に子音の発音が苦手な傾向があります。どうしても母音が強くなってしまうからこそ、発音が明確にならないことはたくさんあります。
自分は外国語が非常に苦手なのですが、西洋音楽を演奏するにあたり、やはりその曲が生まれた国の言葉をかじる程度でも学び、その音のニュアンスがどのようなものなのかを研究することはとても大切だなと改めて思いました。
私もこの秋、ベートーヴェンの本番が2つ控えているので、とても勉強になりました。
ありがとうございました。

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