ハーモニーを合わせるために大切なこと

昨日は「長時間チューニング地獄から抜け出すには」というテーマでつぶやいていきましたが、今日はその続編として、曲中で出てくるハーモニーをどのように合わせていけばよいか、自分の考えを呟いていこうと思います。
①和音の中での役割を知る
指揮者はできれば曲中のすべてのハーモニーについて、コードを調べ、スコアに書き込んでおくことをお勧めします。私も最近は実際やれていないことも多いのですが、少なくとも主要な(決め所の)ハーモニーについては、あらかじめコードを調べておくことが大切だと思います。純正調のハーモニーをつくるときに、どの音が主役で、他の音はどのようなバランスで吹けばいいのか把握しておくだけでも、だいぶ違います。それは、ハーモニーが合わないのは、音程の問題だけでなく、バランスの問題であることも多いからです。
ちなみに私は三和音を教えるとき、基本的には「根音は家の大黒柱(ないと崩れてしまう)、五音は天井と壁(あるだけで雨風はしのげる)、三音はインテリア(家の雰囲気を決める)。だから根音はしっかりと太い音で、五音は柱と上手なバランスで家が傾かないように、三音は目立ちすぎずに」という風に教えています。
本当は指揮者だけでなく、奏者も調べておくと、合奏の時にハーモニーだけを抜き出して練習することは減るように思います。もし、スコアを見ても和音がどうなっているのか分からない人は、「Score Master」という便利なフリーソフトがあるので、使ってみると良いかもしれません。
「Score Master」→http://www.vector.co.jp/soft/win95/edu/se345799.html
②個々のハーモニー感を養う
これは昨日のブログとも少し重なる部分が出てくるかと思うのですが、やはり一番大切になってくることは、個々の奏者がハーモニーの響きを大切にして、出てくる音をどう合わせていくか考えていくことのように思います。
ハーモニー感を養うために、一番良いと思われる方法は、昨日も書きましたが「倍音を聴き取る」練習をすることだと思います。響きのある。豊かな音色で吹かなければ倍音は出ませんから、まず基礎合奏などの時に、倍音を聴き取る練習を組み入れ、「ハーモニーが響く」感覚を一人ひとりに植え付けていくことが大切だと思います。
ハーモニーディレクターを弾くと、そのまま倍音が聴こえますので、まずはそれで倍音を聴き取るだけの練習をしてみてもよいかもしれません。でも、機械至上主義になってしまうと、たしかに物理的な音程はそろうかもしれませんが、吹奏楽ならではの純正律の美しいハーモニーを失ってしまいかねません。個々の音程の癖を知るためのチューナーは便利だし、ハーモニーディレクターも便利な道具ですが、最後は人間が音楽を奏でていることを忘れないようにしたいものです。
あと有効な方法としては、「ハーモニーが美しいアンサンブルの演奏を聴く」ということもあげられます。例えば金管アンサンブル、サックスアンサンブルなど、同属楽器のアンサンブルでは本当に響きの素晴らしい演奏が世の中にはたくさん出回っています。本当は生で聴きたいところですが、それができなければ、YouTubeなどを積極的に活用していくことも良いかと思います。
③自分の出せる一番いい音で演奏するように心がける
チューナーに合わせようとしたり、無理にハーモニーを合わせようとすると、奏法に無理がかかってしまうことがあります。無理な奏法で吹いた音には響きが欠けています。常に「自分の出せる一番いい音で」を意識することで、楽器の鳴るツボもわかってくると思いますし、結果としてチューニングやハーモニーも合ってくるように思います。
ここまでつらつらとつぶやいてきましたが、とりあえず今日はこの辺までにしたいと思います。とにかく、チューナーのメーターを見て、チューナーに合わせたり、ハーモニーディレクターに合うまでかじりついたりすることなく、人間が機械に支配されることなく、上手に活用していけたらいいなと思います。
また思いついたことがあったら追記していこうと思います。

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