アーノルド・ジェイコブスはかく語りき⑤ 良い習慣はさらに磨け。悪い習慣は直そうとするな。

今日のアーノルド・ジェイコブスの読書日記は、「1-5 良い習慣はさらに磨け。悪い習慣は直そうとするな」についてです。
悪い癖と闘ってはならない。
悪い癖と闘えば、その癖を繰り返すことになるからである。
「してはいけないこと」は忘れなさい。
「やるべきこと」にだけ集中せよ。
良い習慣に集中すれば悪い習慣は消えていく。
シンプルで、身体に力を入れない演奏を心掛ければ、
複雑で、無駄に身体を力ませる悪い癖は次第に消えていくはずである。
学んだことを忘れたり、いったん身に付いた癖を消すことは難しいものだ。
しかし、それらも学習して過去に身に付いたものである以上、
新しい癖もいつでも身に付けることができる。
悪い癖と正面衝突して対決しない方がいい。
自分の悪い吹き方を探さずに「正しく吹けない点は何なのか」を探すように。


確かに「こうしてはいけない」と自分の首を絞めていくと、身体が硬くなり、結果として思うようなパフォーマンスをすることはできません。だからこそ、「こうしたい」「こうなりたい」という思いのもとに、プラスの思考で新しい習慣を身につけていくことは非常に大切なことだと思います。
私自身、アレクサンダー・テクニークのレッスンを受けるようになってから、自分の“悪い癖”というものをたくさん発見しました。でもそこで必ず言われるのは、その悪い癖を直そうとしない、ということです。何も罪を犯しているわけではないのだから、謝る必要もなければ、できないからといって罪悪感を感じることもありません。
要は、自分が持っている課題に対して与えられた『新しいヒント』を自分なりに試してみて、よければそれをしばらく試してみる。あまり合わないようであれば、また別のアプローチを考えていく。ただそれだけのことなのだと思います。
私が今、自分にすり込もうとしている新しい習慣は大きく2つあります。
一つ目は、『良い音を出すために頭を動けるようにしてあげて、マウスピースをあて、口を閉めて、歌う』という一連の流れです。
二つ目は、『良い音を出すために頭を動けるようにしてあげて、身体全体がそれについていく』という感覚をイメージしてから楽器を吹くということです。
どうしても「押さえつけるな」と言われてきたのが癖になってプレスが弱くなっていたり、“いい姿勢”を意識するばかりに背中をそらせてしまうのが癖になっているのですが、それを直そうとするのではなくて、アレクサンダー・テクニークで与えて頂いたヒントを自分のものにできるように習慣化していこうかと思っています。
マイナスの思考に陥らないで、新しい自分を想像していくつもりで、楽しく音楽と向き合っていきたいものです。

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