アーノルド・ジェイコブスはかく語りき⑥ 良い習慣をつくるには楽器から離れて未知の刺激を使え

今日も引き続き読書日記をしたためていこうと思います。
今日は「1-6 よい習慣をつくるには楽器から離れて未知の刺激を使え」です。
条件付けを音楽に応用する前に、人間としての条件反射として確立しなければならない。
そして、それらを既に持ち合わせている自分の能力に追加するのである。
音楽に応用するのはその後のことだ。
感覚(FEEL)には頼らずに、条件付けで機械的に会得したサウンド(SOUND)そのものを音楽に応用する。
勘は当てにならない。
もし勘だけに頼れば古い悪い癖を生き返らせることになる。
感覚は感覚現象だが、音楽創りは生理的運動である。

この章を読んでいて思い出したのが、大学時代の北村源三先生のレッスンです。
基礎を見ていただくときには必ずといっていいほど、まず楽器を置きます。
その状態で様々なレッスンをしていただきましたが、特に印象に残っているのは、
上半身脱力した状態から、指だけ→手首まで→肘まで→肩まで→腕まで力を順番に入れていく
というものです。
つい連動して動いてしまいそうな筋肉を、自分の脳のコントロールによって、別々に機能させる練習なのですが、これが結構難しいのです。
先日のバジル先生のBody Thinking 1 dayセミナーでも同じようなことをしたのですが、周りの方も口々に「難しい」とおっしゃっていました。
また、源三先生のレッスンでは、歌詞と音楽を分離して歌うということもやりました。
例えば、「どんぐりころころ」を「ころころ」からメロディにのせて歌い始めるというものです。
これも意外と難しくて、いかに自分が歌詞とメロディをセットで覚えている(=感覚で覚えている)のかということに気付かされました。
話が少し脱線してしまいましたが、楽器を置いて、自分の身体を自分の脳でコントロールできるようにする(せめて、イメージすることができると言った方がよいかもしれませんが)ということは、「なんとなく」吹いている状態から、「こう吹きたい」と言える状態に変化させることなのかなと思います。
もちろん技術を磨くことは大切です。
でも、そればかりにこだわっていくと、やがて行き詰ります。
そういうときには、少し楽器から離れて、「自分が楽器に操られていないか」確認することも大切なのかなと思います。
楽器は音楽を表現するための手段にすぎません。
でも、音楽を表現してくれる大切な相棒でもあります。
そんな相棒と心地よく付き合っていくためにも、いろんな視点から練習をとらえられるといいのかなと思いました。

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