顧問と部員の関係をどうつくっていくか ~より良い音楽づくりを目指して~

今日はエキストラで乗るオケの練習でした。
指揮者の先生は学生時代からお世話になっている方で、すごく有名というわけでもないけれど、アマチュアを指導するのが本当に上手いなと思う指揮者の一人です。時に明るく毒舌も織り交ぜながらですが、基本的には一人ひとりを尊重してくださるし、メンバーのテンションを上げるのが上手く、説明も具体的で分かりやすい方です。
よく大学オケやアマチュアオケでは、プロオケを振るような著名な指揮者を迎えて演奏することがあると思います。そうした著名な指揮者にもアマチュアの指導に長けている方はもちろんいらっしゃるのですが、何せお忙しくて、普段は学生や団員が下振りをして練習し、合わせは数回でリハ、本番を迎えるということも少なくありません。もちろん、著名な指揮者は素晴らしいプロの音をたくさん引き出してきた方が多いですから、振っていただくという経験はかけがえのないものになると思います。でも、発展途上にあるオケの場合、やっぱり「アマチュアをしっかり育ててくださる指揮者」に教えて頂くことも大切なことのように思います。
では、アマチュアをしっかり育ててくださる指揮者とは、どんな指揮者なのでしょうか。
アマチュアを指導する時に大切なことの一つに、一緒に音楽を楽しむことがあると思います。
それは、もちろん音楽を専門に学んでこられた「先生」でもあるけれど、同時に「一緒に音楽をつくる仲間」でもあるからです。
だから、ただ怒鳴り散らしたり、できないところを「違う。もう一回」と理由も説明せずに何度も繰り返させるのではなく、できていない理由を的確に説明し、できるようになるまで付き合うということも必要になってきます。プロの奏者であれば、できていない理由は自分自身が分かっているわけですし、かえって細かく指揮者が指摘するのは奏者に対して失礼なことに値するかもしれません。しかし、多くのアマチュアの場合は、よりよい演奏をしていくための具体的なヒントを与えることも必要になるのだと思います。
そして何よりも大切だと思うのは、アマチュアだからと見下さずに、奏者一人ひとりを信頼してくれるかということです。そういう指揮者は自然と信頼されるし、一緒に音楽をつくっていく過程の中でその信頼関係は強まってきます。プロの演奏はもちろん素晴らしいですが、アマチュアが奏でる音楽だからこそ生まれる臨場感、アマチュアにしかできない「心を動かす演奏」を生み出すのは、こうした信頼関係に基づいているような気がします。
これは吹奏楽部における顧問と部員の関係にも言えることです。部員一人ひとりのことをよく理解し、良いところを引き出せるか。心から部員と共に音楽を楽しめるか。できない原因を共に探り、的確に指示できる知識と語彙、表現力を磨いていくことができるか。そんなことが問われている気がします。
顧問は確かに「先生」と呼ばれる立場にありますし、部活を通して子どもたちが心身ともに成長していくようにサポートしていくのが仕事ですから、「一緒に音楽をつくる仲間」だからといって、友達感覚になってしまうのはもちろんよくありません。でも、「先生」という立場だからこそ、部員一人ひとりを理解するように努め、どんなことがあっても信頼し、自らが学ぶ姿勢を忘れてはいけないのだと思います。
こうした日々の積み重ねが顧問と部員の間に信頼関係をつくり、自分たちのやりたい音楽を具体化していく基となるのだと思います。
そう信じて、また明日から頑張ろうと思うのでありました。
(Twitterまとめ)

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