音楽の前に整えておきたいこと ③前回よりも向上しようという意欲をみんなが持ち合わせていること

前回、前々回のブログに引き続き、集団で音楽をつくっていくとき、まず整えておきたいことを自分なりにまとめていきます。
今回は、私が考えているバンド(オケ)が上手くなるための最低条件
① 練習に人がそろっていること
② 今日すべきことを一人ひとり分かっていること
③ 前回よりも向上しようという意欲をみんなが持ち合わせていること
のうち、③について書いていこうと思います。
③ 前回よりも向上しようという意欲をみんなが持ち合わせていること
個々がすべきことを認識すれば、あとは自然と改善点を直そうとし始めるものです。それがいわゆる「向上心」というものです。この時気をつけなければいけないことは、「自分は××ができていないから、できるようにしなければいけない」と自分を縛らないようにすることです。確かに、「できていないから、できるようにする」という考えは間違いではありません。でも、時にその発想は自分を(他人を)追い込む結果になることも大いにあるのです。
ここで、発想の転換をしてみましょう。まず、自分はどんな自分になりたいですか? どんな演奏をしたいと思いますか? もしかしたらそのままそっくりは叶わないかもしれないけれど、大きな夢や理想を掲げてみましょう。この理想は何だっていいのです。「憧れの○○さんのような演奏ができるようになりたい」「定期演奏会で満員のお客さんに喜んでもらえるような演奏がしたい」「全国大会に出て、割れんばかりの拍手をもらってみたい」etc… 何でも構いません。口に出していったら友達に「そんなの叶うはずないじゃん!」と言われてしまうかもしれない、と不安に思うくらいの大きな理想をまず自分の中で掲げてみるのです。
夢や理想を持つことができたら、次にその理想に近づくためには何が必要かを考えてみましょう。もしかしたらちょっと辛かったり、きつかったりすることも出てくるかもしれないけれど、それを乗り越えてでも叶えてやろうという夢を持てていたら、人は頑張ることができるものです。
とある卒業生が、部員に向けて書いた文章の中で、こんなことを綴ってくれたことがあります。
今までの私ならこのまま受験を楽に終わらせてしまおうと考えたかもしれませんが不思議と「どんなに辛く苦しくても諦めず、泥臭く粘り強くやってやる」という気持ちになりました。部活をやりきったという事実が、私をこうさせてくれたのだと思っています。
(中略)
部活を通じ変わった自分を信じて最後の受験日が終わるまで勉強を続けましたが、結果は望ましいものではなく、合格した大学で目標を見つけて頑張ろうと決めていました。そんな中、突然繰り上げ合格の通知が届きました。不合格だったはずの第一志望校からでした。ありえないと見切りをつけていたので、信じられませんでした。と同時に、本気で諦めずに粘り強く努力すれば身を結ぶのだと初めて実感しました。
特に英語が伸び悩んだ私は、英語のどの分野が苦手か確認し、直前期もひたすらその苦手分野をやりました。受験での最終的な勝因はここにあったと思います。楽器でのスキルアップも勉強と同じ、と現役の頃に先生方が例えていましたがまさしくその通りです。苦手な練習から逃げずに地道に何度も練習していくこと。勉強も、苦手な部分で引っかかって放置してしまうとあとからどんどん分からないものが増えていってしまいます。そうならないためにも努力して、これまでよりも出来るものを増やしていく方が楽だし、自然とモチベーションも保てると思います。楽器も勉強も結果がすぐに出るわけではないので結果が出るまでは辛いですが、辛いと思うよりどこかで報われるはず、とポジティブに考えることで意外に頑張れることもあります。面倒でも、頑張らないで後で後悔するよりもやってみて後悔する方がいいかもしれません。貪欲にチャレンジしてください。

夢も理想も、持たなければ叶えることはできません。諦めてしまったら、そこで終わりです。確かにどんなに頑張っても叶わない夢もあります。でも、その夢に向かって努力していった過程で身についたものは、自分自身を助けてくれる大きな宝物になるはずなのです。練習を重ねて身につけたものは、決して自分を裏切りません。だからこそ、“練習の過程”を大切にしけるといいなとと思うし、1回1回の練習を本番と同じように、むしろそれ以上に大切にしていけたらと思います。
(終わり)

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