吹奏楽の旅[完結編]・雑感 ~怒鳴らずに子どもたちを伸ばすには~

「絶対に諦めない。命のある限り」
この言葉は、横浜創英中高の常光先生が番組中でおっしゃっていた言葉です。指導者たるもの、子どもの可能性を絶対に諦めてはいけない。すごく感銘を受けた言葉でした。
この番組を見ていると、自分自身が中高時代「こらー、てめぇなにやってんだー!」と怒鳴られてきたことを思い出し、怒鳴られている子どもたちを見て、自分のことのように感じて涙があふれかえってきてしまい、一時期見るのがつらくて見なかった時期もありました。
このように中高時代怒鳴られて涙ながらに練習してきた(けど結果は残せなかった)私ですが、指導する側になってからは、同じように怒鳴って指導して、吹けていなかったら出ていかせて、って自分がやられてきた指導を形だけ真似してやっていた時期もありました。
でも本当はその前にまずは生徒と信頼関係作らないといけないし、怒鳴ることだけが厳しい指導ではないって気づいてからは、部員にできるだけ考えて練習するように、自分達で工夫できるようにするにはどうすれば良いか考えるようになりました。
ただ改めて昨日この番組を見て、やっぱり全国大会出てくるところはいろんな意味ですごいなぁと。全国大会で金賞をとるために、並大抵の努力をしているわけではないのだなと痛感するとともに、信頼関係があるからこそ、あんなふうに怒鳴られてもその意味を理解して生徒がついてくる。TVでは見えないところでいろんなフォローがされていたり、何より生徒一人ひとりの意識がとても高いのだろうなと思いました。そして、コンクールの結果がすべてではないけど、やっぱり一生懸命頑張って、やりきったと思えるような演奏ができたらいいなと思いました。
でもやっぱり思うのです。
悔し涙を流しながら練習するのはつらいことです。確かにそれを乗り越えたとき、最高の喜びを味わうことができることもあります。でも、そこで指導者が子どもたちの可能性を潰してはいけないとも思うのです。先を見通した指導ができるか、子ども自身が今の状況を考えて行動できるように促すことができるかか問われる気がします。
もちろん「愛の鞭」的なところもあると思いますが、怒鳴らなくても子どもたちの力を伸ばせる方法はあると思うし、逆にトラウマになって音楽を辞めてしまうようでは本質とズレてしまう気がしています。音楽と一生つき合おうって思う指導をしたいと思うのです。
もしできることならば、うまくなりたいというプラスの気持ちと、できるようになったというプラスの結果が連鎖して、涙を流す程つらい思いを抱えずに音楽をつくる喜びを感じていたいと思うのです。それを甘いと捉える方もいらっしゃるかもしれませんが、生徒自身に「音楽を問う」という意味では、これも厳しさだと思うのです。
寸分の狂いもない、ピタッと合った演奏を目指して日々努力し、コンクールで結果を残すバンドは本当にすごいと思います。でも、コンクール以外にも吹奏楽の魅力は沢山あって、お客様と一緒に心から音楽を楽しんでいる子どもたちの様子ももっと取り上げて欲しいと思うことがあります。
精神論でもなく、マニュアル的なものでもなく、一人ひとりが五感で感じ取ったものを、自由に表現できる部活にしていきたい。萎縮することなく、ただ音楽を通して他者とのコミュニケーションをしながら、人間として互いに成長していける部活にしていきたい。私はそう思っています。
何よりも、目の前の子どもたちが一番積極的になれて、真剣に音楽に取り組めるようなに厳しさを追求していきたい。部員たちが心の底から楽器を、音楽を好きになって、一生の友でいられるような活動がしたい。「好きこそものの上手なれ」の精神で、自分も日々精進あるのみ。頑張らなきゃと思います。
(Tweetまとめ)

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