ラッパのレッスンで教えていただいたこと その1  呼吸・振動・持久力

私が今まで受けたレッスンのうち、基礎に関するものをまとめていこうと思います。
自分が忘れないように書いたものですが、少しでも参考にしていただければと思います。
ただ、何年も前に受けたレッスンもあるので、今は違う教え方をされていることもあるかと思いますので、そのあたりはご容赦ください。
今日は、北村源三先生に教えていただいたことを書いていきたいと思います。
・呼吸法
呼吸法にも様々なものがあり、場面に応じて使い分ける必要がある。
それぞれの練習方法としては以下のような練習があげられる。
a)フォルテで吹く場合の呼吸法
(1) 1拍ずつ4拍すって、1拍ずつ4拍はく
 「フッ、フッ、フッ、フッ(すう) フゥ、フゥ、フゥ、フゥ(はく)」という感じに
(2) これを1拍ずつ増やしていき、できるところまでやる。もうこれ以上吸えないくらい吸って、はけないくらいはくことが重要。
b)ピアノで長いフレーズを吹く場合の呼吸法
(1) 4拍すって、4拍止めて、4拍はく
「フ~~~ッ(すう) ・・・・(止める) フ~~~ゥ(はく)」という感じに
(2) これを1拍ずつ増やしていき、できるところまでやる。目標は30拍ずつ(^^;
もうこれ以上吸えないくらい吸って、はけないくらいはくことが重要。しかし、これはトレーニングであって、実際呼吸法を意識しすぎることは余計な力が入ってよくない。必要に応じて吸う「脳式呼吸」を心がけるようにする。
・アンブシュア
人によって唇の形、歯並び等が異なるため、アンブシュアも異なるが、正しいアンブシュアをつくることは、オーボエのリード調整と同じくらい重要である。一度アンブシュアを定めたら、音を出す前に息を吸うためにマウスピースを離すなどしない。
※レッスンでは実際に作り方をご指導いただいたが、文にしにくいので割愛します。フィリップ・ファーカスの「すべての金管楽器奏者へ」を読みなさいとのことでした。
・バズイング
正しいアンブシュアでバズイングできれば上達は早い。ただし、トランペットはマウスピースの小さい楽器であり、マウスピースを当てたときに支点と支点の距離が狭まるため、1オクターブ低い音程でとるようにする。
1番重要なことは、、「ラッパは唇の振動でなっている」ということである。息のスピードで振動させることもできるが、それは厳禁。唇を壊した人がたくさんいる。常に「振動が先」にきて、その振動を支え続けるために息が必要と考える。スラー(リップスラー)でも、タンギングが必要なフレーズでも、1音1音に合ったバズイングで吹くようにする。フォルテでもピアノでも常に振動を考える。歌う。
・筋肉の使い方
よく力を入れて吹くな!と言われることがあるが、力を入れずにはラッパは吹けない。大切なのは、「必要な時に、必要なところに、必要なだけ力を入れる」ことである。
a)筋肉に意識して力を入れる練習
(1) 両腕をピンと張り、指の先まで力を入れる。
(2) 指先だけ力を抜く。
(3) 手首まで力を抜く。
(4) 肘まで力を抜く。
(5) 肩まで力を抜く。→腕がダランと垂れる。
(6) 肩、肘、手首、指先の順に力を入れていく。
b)楽器の持ち方
テニスやゴルフでは中指、薬指、小指でグリップを握り、親指、人差し指は自由にしておく。これは、親指と人差し指に力を入れると上腕二頭筋に力が入り、肩までガチガチになるからだ。よって、ラッパも左手の中指、薬指、小指でしっかり持つことで、力が入りすぎることなく、しっかり楽器を支え、必要なプレスをすることができる。
・ハイトーンとペダルトーン
ハイトーンも正しいアンブシュアを作って、バズイングで実際出る音のオクターブ下が出るようにして、楽器をしっかり当てて吹く。音のイメージが大切。息を吸いすぎないようにする。「振動が先」を忘れない。ペダルトーンの練習は、ペダルトーン用に口を開いたり、楽器を離しすぎることで無理にやっても意味がない。正しいアンブシュアのまま、音のイメージを持って、振動を楽器に伝えることで出す。ペダルトーンをきちんと鳴らせることで、ハイトーンも出るようになるので、スタンプの教本などを用いて練習すると良い。
・持久力をつけるために 
これは私のクセなので、他の人にはあまり参考にならないかもしれないのですが。私はどうしても「力吹き」がクセなのです。しかも、アンブシュアが固定しすぎているらしいです。上唇だけちゃんとセットして、“下唇がリラックスした状態”で吹くことが重要とのことです。常に全て緊張させた状態であるために、ハイトーンになると口を締め、余計な力が入ってしまう。だからバテる。練習法としては、以下のような感じで。曲になっても、熱くなりすぎず、頭を使って吹けるように練習する。
1.リップスラー
例えば、譜例1のようなパターンで、
1.マルカートで吹いてみる。
→1音1音ならすことよりも、フレーズを大切に。音を遠くに飛ばす感じで。
2.スラーで吹いてみる。
→マルカートで吹いたときと同じ感覚で吹けるように。音がはずれてもよい。

画像(譜例1)

いずれも、下唇に力を入れないように気をつける。口で音を変えようとしない。頭の中で音程をきちんとイメージすれば、結果的に音程も変わるし、楽に、遠くへ響きを伝える感じになる。
2.アーバン: 最初の練習曲 No.47
pであまりタンギングを強くしないで、大きなフレーズ(途中の4分休符まで一息)でさらう。息が足りなくなったときも、無理に力を入れて吹こうとしない。吹ききった時に呼吸が乱れないように。一音一音をちゃんと吹こうとしすぎると、アンブシュアがガタガタになって吹けなくなってしまうので、ずっと同じ音でロングトーンをしているような感覚で、頭で音程を歌った結果、音が変わったというように。
・課題と練習法
・常に頭を使って練習する。楽器を吹くのではなく、歌う。
・クラークのテクニカルスタディーズのSECOND STUDYを最低3回は繰り返せるようにさらう。
「音は振動」「常に振動が先」「必要なところに必要な力を入れる」という教えは、今も基礎練習をしたり、部活で指導したりするときに、一番基本となっている教えかもしれません。北村先生には、本当にラッパだけでなく音楽そのものや生き方まで教えていただいている気がしています。いつもありがとうございます。

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ラッパのレッスンで教えていただいたこと その1  呼吸・振動・持久力” への1件のコメント

  1. ブレストレーニング ~量よりコントロールを大切に~

    よく「トランペットをやっています」というと、「肺活量あるんでしょ」といわれるのですが、実は、私の肺活量は全国平均値を下回っています。もしかしたら肺活量がある方が有利な面もあるかもしれませんが、私が今まで習ってきた先生方は口をそろえて「肺活量は関係ない」とおっしゃっていました。それはなぜでしょうか。

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