OBと現役の関わり方 ~高め合う関係を築くために~

「OBが来ると、やる気をなくす」
「OBが来ると、部活がかきまわされる」

という話をよく耳にしてきました。もちろん、自分も例外ではなく、こう言われてきたことはありますし、そう思ったこともあります。「合同演奏で、なんで先輩にソロ持ってかれるんだ~」と嘆いたこともあります。
その一方で、
「OBが来ると、助かる!」
「OBが来ると、とても勉強になる!」

というプラスの声も同時に聞こえてきます。私も、OBの先輩が来てくださったからこそ勉強になった部分はたくさんあったし、最上級生になったとき、良き相談相手にもなっていただきました。
なかなかその正負のバランスが難しいわけですが、今日は、このことについて少し考えてみようかと思いました。
(1)顧問や現役部員とのコミュニケーションを大切にする
もっとも基本的なことですが、これが一番大切なことだと思います。特に顧問の先生や指揮者の先生が変わったときは要注意です。先生のつくっていきたい方向性と、それまでの部活の方針がずれることは当然ながらあることですし、部員自身が戸惑うこともあるでしょう。だからといって、OBが「今までは○○だったのに…」とマイナスの助言を与えすぎてしまうと、部員と先生の間に壁ができて、結果として部活はまとまらなくなります。まずは顧問の先生(指揮者の先生)とよく話して、方針を理解する努力をすることが大切だと思います。
これは現役部員に対してもいえることです。特に現役部員にとってOBは「先輩」なわけですから、なかなか物を申しづらい面があるかと思います。だからこそ、今、現役部員がどのような部活をつくっていきたいのか、どのような音楽をやりたいのか、どのようなことで困っていて、どこに手が足りないのか、じっくり語り合うこともとても大切なことだと思います。
(2)足を引っ張る言動や行動を避ける努力をする
これも当たり前のことですが、意外とやってしまうことの一つです。たとえば、コメントを求められたときに「全然できてない。私たちの時は…」というのが典型例です。そこまでいかなかったとしても、マイナスの指摘ばかりしたのでは、後輩たちはやる気をなくしてしまいます。かといって、客観的に演奏を聴き、練習の様子をみることができるようになった立場だからこそ言えることもあります。このとき、できるだけ「プラスの言葉」を投げかけてみるtことが非常に大切だと思います。たとえば、「○○ができていない」というのを、「○○ができるようになれば、もっとよくなる」と言い換えるだけでも、受け手の気持ちはだいぶ違うと思うのです。こうした気遣いも忘れないようにすることが大切です。
(3)行くことが当たり前になってしまわない
コーチなどを依頼されている場合は別として、あまりにも毎日のように足を運びすぎることも考え物です。なぜならば、現役部員がOBを頼りにしてしまい、現役の成長を妨げることがあるからです。もちろん、コンクール前などで出場しないメンバーがいるときの練習をみるとか、初心者の個人練につきあうとか、先生が忙しくて練習をみに行けないからとか、それぞれの部活の状況に合わせて、時には毎日のように行ったほうがプラスになることもあるかと思います。でも、多くの場合、せめて「△曜日は先輩が来る日」くらいに留めておいた方が、現役部員の自主性も養われるのではないかと思います。
他にもいろいろあると思いますが、あくまで主役は現役。OBはうまく現役部員とつながって、高めあえる関係をつくっていけるといいなと思っています。

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