効率の良い練習の進め方 ~永遠の課題なのか?!~

「音楽は時間の芸術」と言われます。
しかし、だからこそ必ずしも時間を効率よく使うことだけが求められるわけでもないと思います。
でも、社会人や活動時間のあまりとれない部活では、いかに限られた時間を効率よく使うかを考えて練習することが求められると思います。もちろん、活動時間がたくさんとれる場合には、だらけずに集中できる時間をいかにつくっていくかが求められることと思います。
当たり前のことばかりかもしれませんが、今自分が考えていることを、とりあえずまとめておくために今日はこのテーマで書いてみることにしました。
(1)どのように演奏したいのかイメージを練る
楽譜に書いてあることを忠実に再現できればいいかというと、そうではないと思います。もちろんより忠実にタテが合って、音程が合って…ということも大切だとは思いますが、演奏家が違うからこそ、音楽にも解釈の違いがあるところが面白いところだと思うし、作曲家の意図を大幅に離脱しない範囲で、自分たちでイメージを持って演奏してこそ「ライブ」なのだと思うし、魂のこもった演奏になるのだと思います。
トランペット奏者の荻原明さんのブログに、このような記事があります。
「音楽に決まりはない」 http://trp-presto.jugem.jp/?eid=219
私も、決まりがないからこそ、みんなでイメージを語り合い、つくりあっていけるのも吹奏楽やオーケストラの面白いところなのではないかと考えています。
昨日のブログでも紹介しましたが、北村源三先生とお話しているときにこんなことをおっしゃっていたことがあります。
・自分の中にある熱い思いを、何かにぶつけていかなきゃいけないんだよ。
・イメージがない音楽は音楽じゃない。でもイメージだけじゃだめ。テクニックとイメージと絡み合いながら音楽ができていくんだよ。

自分はやっぱり音楽って「想い」がこもってこそだと思うし、その「想い」を聴き手に伝えようとすること、それに楽しみや喜びを感じることから始めたいと思うのです。そのためにも、音楽以外のことにも敏感にアンテナを張り巡らせて、いろんな経験をつみ、感性を磨いていきたいものです。
(2)練習計画を立てる
当然のことながら、ノープランの練習は、時に気分転換に楽しんでいくのはいいけれど、普通はちょっと無駄な時間を過ごしてしまうことが多いようにも思います。でも、計画を立てる時に大切なのは「できなかったところをできるようにする」と考えないことだと思います。もちろんそれは大切なことなのですが、私は音楽に完成されたものなどないと考えています。なので、「できるようにする」というレベルがどこなのかは明確ではありません。しかも、「できない」というマイナス思考から入ると、どうしても「なかなかできるようにならない」とマイナス思考に陥りやすくなってしまいます。
だから逆に「こうやって吹きたい」というイメージを具体的にイメージたものを具体化していくにはどのような練習が必要なのか、長期的(演奏会まで)、中期的(1週間~1か月とか)、短期的(1日)な目標を立て、それを元にして、目標に少しでも近づいていくためにはどうすればよいのか、計画を立てていくことが大切かと思います。
(3)客観的に練習をみる人をつくる
部活のパート練などでは、主にパートリーダーが練習を進めることになるかと思います。ここが難しいところで、パートリーダー自身も演奏者である場合、抜けることでバランスが変わってしまうこともあるし、かと言って一緒に吹いていると、つい全体のことを見落としがちになってしまいます。理想的には、練習を客観的に見て進められる人をつくることが大切ですが、実際はそれも難しいことも多いでしょう。その時には、いろんな異論もあるかと思いますが、録音をしてみるのも一つの方法です。最近ではPCM録音という、比較的リアルに再現してくれる録音機器も出ていますし、実際よりも下手に録音されることの方が多いので、より冷静に自分たちの演奏を聴くことができることと思います。
そして、この時大切なのも、「できないところを探す」のではなくて、「できるようになったことを見つける」ということです。できないところを粗探ししていくと、負のスパイラルにはまっていきます。でも、できるようになったことを見つけ、「どうやったらできるようになったか」ということを考えてみると、それを積み重ねることで、プラスの気持ちでもっとできるようになることが増えていきます。そういう意味でも、客観的に「できるようになったことを見つけられる」人がいることは大切だと考えます。
(4)遊び心を持って練習を楽しむ
譜面通りにひたすらさらっていると、飽きてくるのが人間というものです。だから、重たくなってしまうところはSwingさせてみたり、細かい音符にしてスピード感をつけてみたり、タテが合わないところはテヌートで「ハーモニーを聴かせる」という意識でやってみたり…というように練習を工夫して進めていくことも大切かと思います。手拍子を入れたり、歌を入れたり、踊ってみたり…体全身を使って、音楽を楽しむ。その曲のノリをつくっていく。その過程を大切にしていけたらと思います。
逆に練習を進める立場にない人は、これも北村先生の言葉ですが、
・指揮者に言われるのを待ってちゃいけないんだよ。自分を出して合わせるんだよ。
とあるように、自分から楽しんでしまおうという気持ちを忘れずにいくことが大切です。楽しまなきゃ損。言われるがままにやろうとすると、具体的にイメージがつかめないことが多く、結果として要求に応えきれないことも多いように感じます。
そして、一番大切なのは、「自分を出せる」環境にあること。互いに信頼できる関係であること。
SNSなどの普及によって、365日24時間関係が切れない中で、子どもたちの間の人間関係もより難しくなってきている昨今ではありますが、音楽が始まったらみんな仲間。思ったことがあったら誰でも自由に発言できる、そんな環境をつくるためにはどうすればよいのか、みんなで考え続けられるとよいかと思います。
あくまで理想と言われてしまえばそれまでですが、これらのことを意識するだけでも、集中力を切らさずに、プラス思考で練習を効率よく進められるように思います。難しい問題も多々ありますが、動き始めなければ何も変われないし、何とか自分はそういう集団をつくる一員でいられたらなと思います。

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