「望み」を大切に、一歩を踏み出していくこと ~不安に押し潰されないために~

ちょうど今の時期、受験や就職など、新しい生活に向けて努力している方も多いことと思います。「新しい生活」と考えると夢や希望もたくさんあって、明るい未来を想像することもできる反面、どうなるか分からない未来に対して、大きな不安を抱えることもあるかと思います。
先が見えないと不安になるものです。
先が見えていても、方法が分からなかったら不安になるものです。
方法が分かっていても、結果が分からないと不安になるものです。
不安が積み重なっていくと、なかなかその場で足踏みしてしまって、息苦しく感じることもあると思います。でも、そうして不安に押し潰されそうになるくらいなら、思い切って一歩踏み出してしまえばいい。きっと、踏み出した一歩が新しいことに気付かせてくれたり、自分を助けてくれる新たな出会いにつながったり、自分自身の力を磨くものになったりと、プラスにはたらいてくれることもたくさんあると思うからです。結局そこから始まる気がします。
一方で、「失敗したっていい」「失敗を恐れるな」と言われたところで、やっぱり心の奥底では失敗したくないと思うのは当然のことだと思います。そして、その気持ちが強いほど、次に進むための一歩を踏み出す勇気はとても大きなものになります。ただ、自分の本当の望みとじっくり向き合ってみると、自分の中に「~したい」「~になりたい」という”want to”の気持ちが存在することに気付くかと思います。人の心の中にある”want to”という気持ちは、簡単に止められるものではありません。その気持ちは自分を前へ前へと動かしていく原動力になると思います。
すぐに動き出せなくてもいいし、遠回りしてもいい。でも、自分の心の中にある「望み」だけは見失わないようにしたいものです。本当にしたいこと、なりたい自分を思い浮かべたとき、現状との乖離を嘆くのではなくて、まだそこへ挑戦できる自分がいるということに希望をもてるとよいのだと思います。普段”want to”の気持ちに気付けずにいる人は、もしかしたらそれに気付くことによって、新しい挑戦への不安が巻き起こることを恐れているのかもしれません。
確かに必ずしも自分の望み通りになるとは限らないし、夢が叶うとは限りません。
でも、そこに向かっていくための一歩を踏み出さなかったら、絶対に望みに近づくことはできません。いろんな障害はあるものですし、辛いこともあるかもしれません。それでも望みを捨てずに生き抜くこと。”want to”の声に背中を押されながら前に進んでいくこと。とても大切なことだと思います。
音楽をやる上でも同じようなことが言えると思います。
上手くいくかどうか分からない本番が目の前にあったり、目指したい演奏と今の自分の技術レベルが大きく乖離していたり、今やっている練習が結果に結びつく自信がなかったりすると、不安に押し潰されそうになることもあるような気がします。
私が担当しているトランペットという楽器は、オーケストラや吹奏楽でも花形と呼ばれ、ここぞというときに格好良く決めることができる楽器でもありますが、一度失敗すると、その破壊力・影響力も大きな楽器です。それだけに、ある程度の度胸もないと、ビビって吹けなくなってしまうこともあるように思います。
もちろん、トランペットは気合いや根性だけで吹けるようになるものではありません。でも「かっこよく吹いてやるぞ!」みたいな野望が心のどこかにないと、やっていられないような気もします。その野望が、練習をするための原動力になりますし、そのためにどんな練習が必要かを考えて練習を積み重ねていった結果、安定した演奏を生み出し、自信にもつながっていく面はあると思います。
とにかく思い切って音を出してみないことには、音楽は始まりません。
しかし、ひとだび音楽が始まれば、上手くいこうがいかまいが、前に向かって奏でていくだけです。
途中の失敗を悔やむことよりも、自分らしく、自分の中にある音楽を出し切ろうとすることで、聴き手には伝わるものだと思います。
そんな風に思って、人生という楽曲も、前に前に流れていけばいいような気がします。
全国の受験生、就活生のみなさん、体に気をつけて頑張って下さい。

画像
iQiPlus

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。