顎はもっと動けるもの ~Tpレッスン記録~

先日、ラッパのレッスンに行った時の覚え書きです。
私はもともと上の歯が大きく、下の歯をほぼ完全に覆う歯並びをしているため、楽器を吹くときに下顎を前に出して、上下の歯をそろえて吹こうとする癖がありました。
しかし、それだとかなり顎関節に負担がかかり、しばらく吹いていると開閉の際にミシミシいうようになるくらいで、バテてくると下顎が揺れてしまうようだったので、以前のレッスンでそれをご指摘いただき、最近それを直すように意識をして練習していました。
※参考「下顎を楽にしてあげることで、体に無理をかけずにラッパを吹く  ~Tpレッスン記録~」
  http://rapparapa.at.webry.info/201510/article_5.html
しかし、そこばかり意識していた結果、今度は下顎が固定されてしまい、楽器をよく響かせるために必要な口の中の広さを失ってしまっているということに気付きました。
顎はもっと動けるもの。
口の中はもっと広い空間であること。

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確かに下顎を前に動かそうとする動きは顎関節に無理がかかる動かし方ですが、顎関節を中心に弧を描くような動き(下図)であれば、普段会話をしたり、食べ物を咀嚼するときの自然な動かし方になります。

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このように顎が動くと思って、思いきって開いてみると、口の中の容積は広くなって、音もツボに当たった豊かな音になりました。
そして、顎を思い切り開いてみて、その音が一番いい感じに鳴る場所に持っていけるように練習してみること。その後で吹けなかったフレーズを吹いてみると、 とてもスムーズに鳴るようになりました。
その後で、先生に次のようなアドバイスをいただきました。
低音域:顎も舌もを思い切り下に落として、口の中の容積が大きくなるようにする➡「オー」の発音
中音域:顎も舌もそこまで落とさなくて大丈夫
高音域:顎は思い切り下げるが、舌は上に持ち上げるようにする➡「オー」の口をしながら「イー」を発音する

「中低音は普段の会話でも使う口の動きを使うから出しやすいけれど、高音域の使い方は慣れてないから苦手な人が多いのかもしれない」
というのも何だかしっくりきました。普段やってないことだからこそ、理解して練習することが大切なのかもしれません。
また、大切なのは「滑舌よくしゃべること」というアドバイスも頂きました。「ハッキリ吹く」というとつい強く吹いてしまいがちですが、そうではなくて、瞬時に「鳴る場所」にまで舌と顎を動かすことができるかというところが大切なのだと。その際に圧が保たれた息を流すことができるかどうかで、出てくる音は輪郭のある、ハッキリとした音になるとのことでした。
日本語は、口先だけでボソボソしゃべれてしまうだけに、我々日本人が西洋楽器を吹く時には、日常とは少し違う発音の仕方を練習してあげる必要があるのだと思います。
それから、気を付けた方がいいのは「顔の表情筋はリラックス」ということです。
確かに“しかめっ面”して懸命に吹いたところで、楽に吹けるようになるものでもありません。ラッパを吹くのに「圧力」は必要だけれど、「力任せ」になるのはまた違うことです。かえって、いろんなところが動ける可能性を残したまま、息が流れていくことを大切に、時々に合わせて必要な動きをしてあげるだけでいいのかもしれません。
発音と口の中の動き、顎の動きについてはもう少し探求したいところです。
ただ今回の顎の動きに関してもいえるように、気にすると過剰反応して身体がカチコチに固まってしまい、出てくる音も無機質なものになってしまいがちなので、一気に解決しようと焦らずに、ゆっくり考えながら歩いていこうと思います。
※顎関節の動きについては、単純化してしまうと顎関節症などの恐れもあるので、下記ページもご覧ください。
http://kokuhoken.net/jstmj/general/

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