吹奏楽コンクール考⑫ ~コンクールで何を目指すか~

先日、教員志望の学生が、「将来は教員になって、全国大会に出て、生徒たちとつくりあげた音楽をより多くの人に知ってもらいたい。そうすることで、自分のやりたい音楽がもっと自由にやれる気がする。」という夢を語ってくれました。確かに独り善がりの演奏では説得力はありません。「全国大会に出る」というコンクールの結果にこだわることで、結果として今自分が思っているいろいろなことに説得力も生まれ、より自由に音楽づくりができるというのもあるなと思いました。
では、自分はそこに行けるかというと、まだまだその道のりはほど遠いところにいます。結局コンクールで結果を残した指導者が素晴らしくて、自分のような口だけの顧問はダメなのかなとたまに凹むことも正直あります。でも凹んでる場合じゃなくて、自分が本当にいいと思っていることを全うして、少しでも生徒一人ひとりの成長を感じられるような指導をしていかなくてはなとも思います。
コンクールは結果が全てという考え方があるのも否定はしません。でも、自分はやっぱり結果だけにこだわるのでも、審査員だけに音楽を聴かせるのでもなくて、その場にいる全ての人に、自分たちが出せる精一杯の力を出しきった心のこもった演奏が届けられたらそれでよいと思うのです。その上での結果なのかと。
そんな風に思うと、コンクールに出る必要はないのではないか、と思われる方もいらっしゃるかもしれません。でも、私はそれでもコンクールに出る意味はあると思っています。それは1つの楽曲をここまで集中して丁寧に仕上げていく機会はなかなかないことですし、何よりも普段自分たちの演奏を聴くことがないであろう方々に演奏を聴いていただける貴重な機会であり、審査員の先生からコメントを頂ける大切な機会だからです。
夢は全国大会出場。
それは、高校生の頃から変わりません。
笑われても、バカにされても、諦めそうになっても、くじけそうになっても、どこかにその夢は抱え続けている自分です。
でも、今はただ「賞がとりたい」と思っていた頃とは違って、「多くの方に子どもたちが心を込めてつくりあげた音楽を聴いてもらいたい」という願いが原動力になっています。
ただ、子どもたちの成長していく姿がみたいから。
その気持ちを大切に指導にあたりたいところです。
今年もあと数日間、死にもの狂いで生徒たちと心を込めて音楽づくりをしていきたいと思います!

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