みんなで1+1=2以上のものをつくっていく合奏 ~植田中・玉谷先生のDVDを見て~

先日発売されたDVD「植田中・玉谷先生の生徒と創り上げる合奏指導 ~最小時間で最大効果を発揮する日常練習~」が届いたので見てみました。今日のブログはそのレビューです。

イントロダクションでの「どんなに苦手な子でも、一人ひとりではできないことでも、みんなで集まって1+1=2以上のことができる合奏を目指している」という玉谷先生の言葉に早くもグッと心がつかまれました。合奏の良さ、吹奏楽やオーケストラの良さ、みんなで音楽をつくっていくことの良さって本当にそこだよなと改めて感じました。
ウォームアップでは、歌で始まるところは玉名女子とも似ているなと思いました。普段合奏をしていても思うけれど、やっぱり自分のからだから生み出されるものが原点にあって、そこから音楽が始まっていくのだなと。その後も要所要所で歌で確認する場面があり、「音楽は歌で始まる」ということを再認識させられました。
また、8拍吹いて4拍休みということを繰り返している時に、4拍休みのところで必ず先生が次へのアドバイスをおっしゃっているのが印象的でした。ただ機械的にやらせるのではなく、観察し、次に気を付けるべきことを伝えていく。「少ない息で最大の響き」「同調」など、合間に入る先生の一つ一つのアドバイスでどんどん良くなっていくのを聴いていて、『観察をした上での新たなプランの提案』の大切さを実感しました。
そして何よりもいいなと思ったことは、“一つの練習が終わった後に、自分が意識していたことを全員が実際に声に出して言ってみる”ということです。そして、それが10個以上あげられたかを確認し、誰かにそれを答えてもらいます。大切なことを声に出すことで、意識はすごく高められると思うし、次にやるときにより自分に方向性を指示しながら奏でることができるように思いました。
他にも、基本練習から音の強弱を意識させて、曲の中で使えるような練習にできているところ、ロングトーン一つとっても、主音との差を意識させたり、音を動かすことで音程感を養うようにしているところが絶妙で、これもすぐ導入していきたい練習だなと思いました。
あとは、「レガート=なめらかに」を表現するためにやらせていた、言葉を実際に見える形で表現させてみるのもいいと思いました。音は見えないものだからこそ、「見える化」することでイメージをふくらませ、その上でそれを実現するためのプランを提案し、全体を統一していくことは効果的なのかもしれないなと思いました。
高校生以上であれば、もっと一人ひとりの自主性に任せていく方法もあるかもしれないけれど、こうやって合奏を通して「合同個人練習」を積んでいくことも、全員が同じ練習をしているという一体感も持てるし、目が行き届くという面ではありなのかもしれないなと思います。その上で個々に応じて個人練を重ねると効率が良いのかもしれません。大変勉強になりました。ぜひ1度、生で見学させて頂き、玉谷先生とお話してみたいと感じました。

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