部活を辞めたくなったら、辞めたい人がいたらどうすればいいか?

長いこと音楽をやっていると、人とぶつかることもあるし、辛かったり、辞めたくなったりすることは誰にでもあることだと思います。それが部活動という場の場合、余計に辞めたくても辞められないという状況に置かれることもあるかもしれません。
そんな時は、敢えて一回部活や音楽から離れて、自分が本当にしたいことは何なのか、自分を苦しめている原因は何なのかを真剣に考えてみる時間をつくることをお勧めします。
その結果、どんなに自分にとって部活や音楽が大切なものだったのか気づくこともあれば、もっと他に大切に感じるものを見つけることもあるでしょう。
大切なのは、自分の「want to」の気持ちに気付くこと。
そこに気付くことができれば、たとえ部活を辞めることになっても、前向きに自分の意志で進んでいくことができるはずです。
しかし状況によっては、一回離れてみて、ということができないこともあるかもしれません。
そこにあるものは何でしょうか。
 役割、責任、義務感、義理・・・
実は、そうしたものが自分自身を苦しめ、そこから逃れたいと思う原因になっているのかもしれません。
年月を重ねるごとに、そうした気持ちが強くなることは当然のことです。だからこそ、本当につらい時には、そうした感情は一旦完全にどこかへ置いておいて、自分自身が本当は何を求めているのか、何に苦しめられているのかを考えてみることも大事なことだと思います。
そこでキーワードになってくることは、「初心」だと思います。
きっと誰もがみんな、初めて音が出た瞬間はとても喜んだはずです。初めて舞台にのって拍手をもらったときも嬉しかったはずです。そんな「初めて」が「当たり前」になってくると、自分が目指すゴール(時には人から求められるゴール)設定と自分自身の現状がかけ離れはじめて苦しくなることもあるかもしれません。そんなときに初心を思い出すにはどのような意味があるのでしょうか。私は次のように思います。
初心を忘れないということは、初めての喜びを忘れないということ。
何か上手くいかなくなって、歯車が噛み合わなくなって、音楽が「音が苦」になりかけたら、初心を思い出すこと、そしてその苦しい気持ちを誰かに吐き出すことはとても大事です。我慢していたら悪化するだけだと思います。本当に取り返しがつかないことになる前に吐き出してみることは大切です。そこから見えてくることもきっとあるはずですから…。
自分が積み重ねてきた練習だけは裏切ることはありません。誰がどう言おうと、どう思われようと、音楽をやりたいと思って頑張ってきたことは必ず自分の中に残っているものだと思います。だからどうしても辛くなったら、初めて楽器をてにした時のことを思い出してみるといいかもしれません。
とにかく一人でかかえこまないこと。
誰か一人でもいいから仲間を信じて打ち明けてみること。
自分だけが辛い思いをかかえているなんてはずはありません。同じ環境で部活をやっている限り、きっと誰かも同じ思いを抱えながら頑張っていたりするものだと思います。
だから頑張れと言うのではなくて、だからこそ思いをぶつけてもらって、みんなで考える時間をつくりたいと思います。かかえこんで辛くなって、「音が苦」を続けることに嫌気がさして、涙があふれかえるほどの気持ちになる前に、「自分だけが辛いわけではない。だから気持ちをぶつけてもいいのだ」と思って、思い切って誰かに打ち明けることができたら、どんなに心が救われるでしょう。
それは、わがままでも、忍耐が足りないわけでもありません。
誰か一人でも居心地の悪さを感じていたら、よい音楽をつくることはできません。だからこそ、仲間を苦しめていることを少しでも取り除いて、みんなが居心地のよい空間をつくるために、みんなで努力できるような部活をつくっていきたいものです。
確かに、辞めるか、辞めないか、その選択を他人が強制することはできません。
でも、「一緒にやりたい」という自分自身の「want to」の気持ちを伝えることは、自分自身にとっても大切なことだと思います。その結果、引き留めることができなかったとしても、相手にはその気持ちは必ず伝わるはずです。
私たち大人も、自分自身の「want to」の気持ちも大切にしながら、子どもたちの「want to」の気持ちに心を傾けて、みんなが心から部活をやりたい、音楽を楽しみたい、と思えるように努力を続けていきたいと思います。

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