練習は苦行ではない! ~楽しく本番をむかえるための心とからだの準備~

今日は吹奏楽コンクール地区大会の抽選会でした。
そこで
「吹奏楽コンクールが注目されているのは嬉しいことだけれど、その結果だけに振り回されて、コンクールが生徒たちにとっても先生たちにとっても苦しいものになるのは違うと思う」
といった内容の挨拶がありました。
この言葉を聞いて本当にそうだよなと思いました。それだけ吹奏楽というものが注目されるようになっている一方で、コンクールの結果に振り回されて辛い思いをしている子どもたちも多いのかなと少し悲しい気持ちにもなりました。
実際に指導をしていると、結果がはっきりと表れるコンクールというのは子どもたちのモチベーションにつなげやすいし、その取り組みを通して成長できる部分が大きいのもよくわかります。だから私もコンクールには全力で取り組みたいし、子どもたちの成長を信じて頑張ろうと思っています。
本当はコンクールでも演奏会でも聴き手に音楽を届けるという意味で同じ本番には変わりはありません。でも、同じ譜読みであったとしても、演奏会に向けてたくさんの曲をさらうのと、コンクールに向けて限られた1、2曲を集中的にさらいこむのとでは、完成度という視点では大きく異なってくることもまた事実です。
しかし、「コンクールの結果=賞」というところだけに注目をしてしまうと、そこに至る具体的で明解な過程なしの根性論や苦行がまかり通ってしまうこともしばしばあります。
そして音楽が、
「コンクールで賞をとるため」だけのものになってしまったら…。
賞をとるために「やらされている」ものになってしまったら…。
子どもたちにとって、それは本当に幸せなことなのでしょうか。
基礎練習にも同じことが言えます。
基礎練習は確かに大切です。曲を吹くにしても、結局のところは技術でも表現でも基礎の組み合わせだし、基礎練習を充実させ積み重ねていくことは上達には不可欠なことです。でも勉強と同じで、それが「やらされているもの」「なんとなくしているもの」になってしまうと、身に付く割合は大きく低下してしまいます。
基礎練習も曲の練習も大切なものです。でも一番大切なのは、それぞれの練習を何のために、どうやって、どんなところに気をつけてするのかということかなと思います。そのthinkingなしのdoingはただの時間の浪費になってしまいかねません。
まず「どう奏でたいか」を考えることを起点にしてイメージを具体化する練習をしたいとやはり思うわけです。
気持ちの持ち方でいかようにでも奏でる音楽は変わってくるものです。ダラダラと具体的な目標を明確にしないでする練習では、いくら時間をかけても身に付きません。少ない時間でも、いかに集中して、自分の頭で積極的に考えながら練習できるか。上達の道はそこにあるような気がします。
練習は苦行ではありません。
奏でたい音楽を実現するために、技術を磨いたり、表現力を磨いたり、心を育んでいく過程が音楽の練習なのだと思います。
まず、練習が辛いと思ったら、
楽器を初めて持ったときのよろこびを思い出してみてください。
自分は何のために今奏でているのかを考えてみてください。
そこで、よろこびや楽しさの記憶が甦ってこなかったときは、少し音楽から離れてみるときなのかもしれません。そこを耐えたからといって、必ずしも自分にプラスのことはないと思うからです。
本番で楽しく奏でられるように、心とからだの準備をゆっくり焦らずにしていくことを、コンクールの取り組みの中でも忘れずにいたいものです。

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練習は苦行ではない! ~楽しく本番をむかえるための心とからだの準備~” への3件のコメント

  1. はじめまして、江戸川一歩と申します。
    FBからリンクで来ました。
    とても納得させられる、そんな内容の記事ですね。
    コンクールの事について賛否両論が交差しているコメントを読んだ時があります。
    そのコメント欄には、コンクールがあるからいい。
    と言うのと、コンクールの為に練習するのが悪い。
    そんな、色々な考えでコメントされてる方が沢山いました。
    僕は、もう社会人になって吹奏楽を始めたので、どちらの意見もわかりませんし、意見できないような立場では無いのですが。
    コンクールがあるならば、賞とか関わってくるものですよね。
    でも、その賞を取れる団体の合奏を聞き分ける、
    耳と心を育てるのも、日々の基礎練習なのかなって。
    そう、思います。
    「ここの団体が金か。納得だな。」
    って思う。たぶん、コンクールに向けて練習している人ほど、そう思える耳が養われてると思うのです。
    自分たちは、この演奏よりも感動するような、そんな吹奏楽にしたい。
    そう、思えるようにコンクールに向けて練習するのは良い事かなって。
    心を動かせる演奏が出来るから、それに伴って賞が生まれる。
    自分たちも、自分たちの表現力で心を動かせる音楽を。
    って、感動が生まれるようなコンクールであって欲しいですよね。
    それを、教えていってくれるのが、教育者だと思うので。
    顧問と言う、大変な立場だと思うのですが、これからもがんばってください。
    長々と、まとまりの無い、失礼なコメントになっていましたら、すみません。

  2. 文、間違えてしまったw
    どちらの意見もわかりませんし、意見できるような立場では無いのですが。
    でした。

  3. >江戸川さま
    コメントありがとうございます。
    「心を動かせる演奏が出来るから、それに伴って賞が生まれる」本当にその通りだと思います。そんな思いを大切にして頑張っていこうと思います。
    今後ともよろしくお願い致します!

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