観察すること、気づくこと ~音楽の練習は科学実験と似ている!~

トロンボーン奏者の福見吉朗(@fukurou293)さんが、ブログ『吹奏楽指導って』 http://ameblo.jp/trb293/entry-11951227577.html の中で、次のようなことを書いておられました。
「指導者は,感覚を活性化して,耳と,観察力。指導される方も,変化に気づくこと。敏感になること。やっぱり,観察力。これが大切」

吹奏楽、音楽に限らず、自分自身や自分を取り巻く周囲の環境を五感をフル活用して観察すること、そして変化に気づくこと、とっても大切なことだと思います。
観察をして、客観的に自分がどういう状態であるかを把握し、受け入れること。そこからどのようなことが考えられるのか、改善するためにどんな工夫が必要なのか、次にすべきことは何かを徹底的に考えること。迷ったら人に相談したって構わない。これってどこか科学の実験や研究とも似ている気がします。
実際、自分が大学院で研究をしていた頃は、
「こうなるのではないか」という仮説を立てる
 ↓
それを実証するための実験を計画する
 ↓
実験を行う
 ↓
結果を観察する
 ↓
観察したことから気づいたことをリストアップする
 ↓
データをグラフや図にまとめ、さらに気づいたことをリストアップする
 ↓
グループでディスカッションを行い、さらに考えを練っていく
 ↓
改善点を考える
 ↓
改善点を考慮した上で、実験の再計画を行う
 ↓
実験する
 ↓
という試行錯誤の繰り返しによって、1つの論文を組み立てていったような気がします。
これを吹奏楽の練習に当てはめて考えてみます。
「こういう音楽を奏でたい」という目標を立てる
 ↓
それを実現するための練習を計画する
 ↓
練習を行う
 ↓
「出てきた音」をいろいろな視点から観察する
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観察したことから気づいたことをリストアップする
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気づいたことを部員同士で共有する
 ↓
部員同士でディスカッションを行い、さらに考えを練っていく
 ↓
改善点を考える
 ↓
改善点を考慮した上で、練習の再計画を行う
 ↓
練習する
 ↓

指導者が「観察」し、「気づき」、それを基にして次のプランを立てて指示を出していくことももちろん大切なことだと思いますが、それ以上に大切なのは、自分たちで「観察」し、「気づいた」ことを“共有”し、みんなでどうすればよいかの考えを出し合いながら練習を進めていくことなのかなと思います。
そうすることで、指示待ちの受け身な演奏から、「自分たちで奏でたいと思った音楽を、自分たちの手で作り上げる」という積極的な演奏になっていくと思うし、そういう演奏は聴き手の心に響くものになると思うのです。
自分自身を成長させる上でも、相手のことを育てていく上でも、研究を発展させていく上でも、大切なことは似ているように思います。どれだけ変化に気づくことができるか、その変化はどこからきたものなのかに気づくことができるか、そして、試行錯誤しながら常に前に進む気持ちを持てるか、そこな気がしています。
(Twitterまとめ)

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