「好きこそものの上手なれ」
これは私が好きな言葉の一つで、よりどころにもなっている言葉です。
高校の頃、部活にだけ没頭して成績の奮わなかった私に向けて、化学の先生が「好きで頑張っていれば学力は後からついてくる」といって下さいました。その言葉を信じて、「実験が好き」という思いだけを頼りに頑張らせて頂いたお陰で今は化学の教員になっています。ラッパも下手なりに続けてこれたのは「好きだから」という答えのほか、適当な言葉は見つかりません。それくらい、「好き」って気持ちは大切なのだと思います。
コンクールとなると、オーディションをする学校も少なくないかと思います。仲間たちと切磋琢磨しながら腕を磨いていくという意味でのオーディションは意味のあるものだと思いますが、「仲間を蹴落としてメンバーに入ってやる」ようなところまでいってしまうと、本来吹奏楽部という部活動で身につけたい力とはかけ離れてしまうような気もします。
本当は、オーディションのためじゃなくて、奏でたい音楽があるから練習が楽しくて仕方がない、上手くなりたくて仕方がない、好きだから練習したくて仕方がないという雰囲気ができたらいいなぁと思います。
うちの学校でもオーディションのようなものが一応あるのですが、オーディション前になると、必ずと言っていいほど上級生が自分の練習の合間に下級生を教えている光景を見かけます。このように、みんなでこのコンクールを頑張っていこうという雰囲気がつくれつつあるのは頼もしい。だからこそ、このメンバーでむかえるたった一度のコンクールにむけて、音楽的にも人間的にも大きく成長できる一ヶ月にしていきたいと私たちも思うのです。
好きで好きでたまらないものでも、目の前にあることが当たり前になってしまったら、それが手の内にあることにありがたみを感じなくなってしまうものです。本当は毎日音楽をできることは当たり前じゃなくて、すごく恵まれていることなのに、思うようにいかないと不平不満をもらしたくなることがあります。
でも、本当に大切なものはなくしてから気づくものです。当たり前のようにあるときにはその大切さに本当には気づけていなくて、それがあることに感謝の気持ちを持てずにいます。大切なものをなくさないうちに、当然だと思っていることを本当に大切にすることが大事なことだと思います。
だから時々立ち止まって、どんなに大切なものなのかを確認することも大事なような気がする。本当に大切と思えたら、そのことにむかえる時間が与えられていることに感謝の気持ちを持って、幸せな環境にあることを無駄にしないように過ごしていきたいものです。
「好き」という気持ちは何事もすべての原動力になると思います。
「あなたはなぜ音楽(吹奏楽)をやっているのですか?」
「好きだからです」
そう即答できるうちは、練習も楽しく前向きに取り組む力を持っていると思います。
そういう「好き」という気持ちを大切に育てながら、楽器とも音楽とも向き合っていきたいものです。
(Twitterまとめ)
好きこそものの上手なれ ~「好き」という気持ちを大切に育てる~
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