【イベントレポート】 「バック トランペット吹き比べ」に参加して

昨日は渋谷のアクタス・ブラスプロが主催で行われた「バック トランペット吹き比べ」というイベントに参加してきました。

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V.Bachの製作責任者であるテッド・ワゴナー氏、元N響の栃本先生とその門下の藝大生を中心としたアンサンブル「上野アミカルトランペットアンサンブル」を招聘してのイベントで、アクタスのアンナホールは満員御礼状態でした。
イベントは「BACHファクトリーツアー」「BACHマウスピース バックボアについて」「BAHCHトランペット 吹き比べ」の三部構成になっていて、それぞれとても興味深いに内容でした。
①BACHファクトリーツアー
ヴィンセント・バック氏の生涯から、現在のエルクハートに工場が移るまでの歴史に始まり、1枚の真鍮の板からどのようにトランペットがつくられていくのか、実物を見せていただきながらの説明で、まるで工場見学に出かけたかのようでした。1枚取りベルへのこだわり、つなぎ目が弱点にならないように何度も焼きなましをしていることなど、こだわりのポイントを包み隠さずお話ししてくださいました。
②BACHマウスピースバックボアについて
標準のNo.10バックボアと比較して、その他のバックボアがどのような特徴を持っているのかお話ししてくださいました。聞いたことのないバックボアのサイズもあって非常に興味深く聞かせていただきました。
・No.24 シンフォニックで音量が出やすい。ダーク。
・No.7 シュミットスタイル。ドイツのオケで求められるような音。
・No.3 よりダークなサウンド。
・No.117 ピッコロトランペット、リードトランペット用。 
・No.87 音量が豊かで自由な吹奏感。
・No.76 明るくシャープ。高音域に効果的。
・No.41 明るいが、抵抗感がある。
・No.57 ロータリートランペット向き。
・No.25 よりオープンでシンフォニック。
今、自分の手元にあるのは標準のNo.10の他、No.24、No.87、No.57ですが、確かに上で述べられているような吹奏感だなと思います。これにリム、カップ、スロート、バックボアの組み合わせが様々あるわけですから、マウスピースはこだわりだしたら本当にきりがないなと思いました。
③BACHトランペット吹き比べ
上野アミカルトランペットアンサンブルの演奏で、2nd,3rdは同じ楽器のままで、1stだけ楽器を変えると全体のサウンドがどのように変化するかという実験で、とても興味深いものでした。
<B管 ベルの違い>
・180ML 37 SP
 コンパクトなサウンド。音の飛びがとても良い。
・180ML 43 SP
 伸び伸びとした明るめの音。柔らかいが抵抗がある。
・180M 38 SP
 Mボアの楽器で、シャープな音がする。
・180MLV 72SP
 力強く、柔らかでダークな音。
・AB190 ARTISAN SP
 37ベルに使いがリムがフレンチビートで、よりサウンドの質が高い。吹奏感が軽い。
<C管 モデルの違い>
・C180L 239/25C SP
 太くて豊かな音。扱いやすく、すぐに鳴ってくれる。
・C180L 229/25H SP
 より暖かいサウンド。ハーセス管とも呼ばれ、より太めのマウスパイプで息が入りやすく、巨大なオーケストラに対応。
・C180L 229/25A SP
 少し長めのマウスパイプ。息を入れていくと音程がふらつく。ソロ向き。
・C180L 256/25H SP
 あたたかくリッチなサウンド。イントネーションがとても良い。
・CHICAGO MODEL SP
 昔のシカゴ響が使っていたモデルの復刻版。小さめのオケに向いている。
・PHILADELPHIA SP
 シカゴモデルのベルを少し重くして、音色を少し暗めにしたモデル。
・AC190 ARTISAN SP
 229と256の間のベルで、スチールワイヤーを用いており、真の太いはっきりした音がする。
<仕上げの違い>
・ラッカー仕上げ
 磨き上げた後にラッカーをスプレーしている。明るく、広がる音色。
・銀メッキ仕上げ
 下地に銅を塗ってから銀メッキをかけている。少し音がシャープになる。
・金メッキ仕上げ
 堂の下地の上に銀メッキをし、さらに24Kの金メッキをかけた三層構造。あたたかい響き。
どれも良いな~と思いながら、やっぱり金メッキの楽器は音があたたかくていいなぁと思ったり。でも帰りにショップによって値札を見て・・・60万はさすがに出せないなと思って肩を落として帰ってまいりました。
本当にクラフトマンのプライドが伝わってきたし、そのこだわりの楽器を使わせていただいているのだと改めて思うと、大切にしなきゃと思ったし、もっと練習して楽器本来の良さを生かせるようにしなきゃなと思いました。とても貴重な機会をありがとうございました。

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