パフォーマンスをするとは? ~お客様を引き込む演奏をするために~

昨日、Eテレでやっている「スクールライブショー 吹奏楽バトル」を見ました。
一糸乱れぬ動きで魅せてくれたマーチング、一輪車に乗ってラッパを吹くという見事な技など、お客様を楽しませるために一生懸命練習してきたのだなと感じるものばかりで、どこの学校も素晴らしいパフォーマンスだったと思います。
さて、「パフォーマンス」という言葉はよく使われる言葉ですが、もとはどのような意味があるのでしょうか。以前、部内通信でパフォーマンスについて記載したものがありましたので、今日はそれをご紹介したいと思います。
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少しでも「ここできないんだよなぁ…」という不安な気持ちを残さないで本番を迎えると、心に余裕を持つことができるので、結果として自分たちも楽しく演奏し、お客様にも楽しんで頂ける演奏をつくりだすことができます。「人に聴かせる(魅せる)パフォーマンスをする」ということは、そういうことなのだと思います。
…とここまで書いたところで、どうしても言葉の意味が気になってしまったので、辞書で「パフォーマンス(performance)」の意味について調べてみました。
パフォーマンス【performance】
1 演劇・音楽・舞踊などを上演すること。また、その芸・演技。
2 身体を媒介とした芸術表現。
  演劇などのほか、特に現代美術での表現をさしていう。「前衛書道家による―」
3 人目を引くためにする行為。「街頭宣伝の―」
4 性能。機能。また、効率。「旧型でも―はいい」「コスト―」

こうやって改めて見てみると、「パフォーマンスをする」ということは、「音楽を上演(=観客に見せるために舞台で演じること)すること」であると同時に、「身体をつかった芸術表現」であり、「人目を引く行為」であることが分かります。
つまり、私たちが演奏者として、「全身を使って表現をし、お客様の心を引きつける演奏をすること」が、最高のパフォーマンスをすることだと解釈できるかと思います。
中高生という年頃は、なかなか周りの目が気になって自分をさらけ出して表現することは、ちょっと恥ずかしかったりして、なかなか難しいことかもしれません。でも、舞台に立った時、恥ずかしがってしまうとかえって目立ってしまったり、一生懸命やっていてもお客様に気持ちが伝わらなかったりして、もったいないことになってしまいかねません。かく言う私も、高校生の頃まではバカみたいに自分を表現することが苦手で、今その頃のビデオを見てみると、すごく頑張っていたはずなのに、つまらなさそうに見えてしまって、あーもったいないことしたな…と思います。
いきなりできるようになるわけではありませんが、何もピン芸人のように一人で何か芸をしろ、というわけではありませんし、みんなが一緒になって表現すれば一人だけ目立ってしまうことはありません。ぜひ、ちょこっとだけ勇気を出して、表現することを恐れずに本番を楽しんでもらえたらいいなと思います。
以前、プロのミュージカルの稽古を見学させていただいた時、次のような感想を書いている人がいました。
・稽古の時に、1回演技をやるごとに話し合いの時間をとっていたとき、たくさんの人からたくさんの意見がでていることと、「私はこう思う」と行ったことに対して、「でも私は」と自分の意見もはっきりと言えるのはすごいと思いました。本当に1回1回を大切にしている感じがしたので、私も同じように「1回が大切」という意識を持ちたいと思いました。
・吹奏楽とミュージカルは大きな共通点があることを知りました。それは“みんなで1つのものを表現していく”ということです。そのためには、意見を交換し合うという大切なことがあることを学びました。私は意見を言うことが苦手なのであまり意見を言わないです。でも今日、ミュージカル稽古を見学して、いろいろな人と意見を交換してコミュニケーションをとっていくことがどんなに必要であるかをからだで感じました。舞台に立つということは仲間との絆が大事だと思います。やはり日頃からの会話は良いことなんだと思いました。たくさんの人数がいるからこそ、大きな舞台が完成するということも学びました。だから1人1人の技術を上げて、みんなと呼吸を合わせられたら素晴らしい演奏になるんだと分かりました。イメージを広げてその世界に入り込む勢いで吹くことができたら、いつもより音がきれいに響くと思います。今後の演奏がより良いものになるためには、とにかくお客さんも楽しく気持ちが前向きになるような演奏をしたいです。みんなで息をそろえて1曲1曲を大切に吹き、毎日忙しいけれど練習をめげずにやって、普段の自分のままで演奏をしていきたいです。1つ1つ物事が終わったら反省して次に活かせていけたらもっともっと変わっていけると思いました。
・今、自分たちが注意していることは技術的なことが多く、「何をどう伝えるか」ということまで気が回せていませんでした。その技術に関する注意も、一人が気になったことを言うだけで、具体的な改善策がなかなかあげられない状況で、みんなで何かをディスカッションすることもあまり多くありません。でも、今回の稽古では、その舞台を作る人全員で、妥協せずに意見を交換して、一回ずつの動き、セリフ、表情が細かに変えられていて、とても凄いと思いました。良いものをつくるために、特に表現に注意して舞台を作っていく様子は楽しそうで、私たちの部活でも、ディスカッションがもっと活発にできる場を作ろうと思いました。踊り自体も、エネルギッシュに全員が恥じず、見ている人をきちんと考えてやっていらして、素人の集まりの私たちも、それでも伝えたいことがお客様に伝わる演奏をしようというやる気がでました!

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「パフォーマンスをする」とは、何もスタンドプレーをしたり、何か特別なことをしたりすることとは限りません。もちろん、お客様を目でも楽しませることはとても素敵なことだと思いますし、否定する気は全くありません。むしろ、自分で見ていても楽しいし、吹奏楽の醍醐味の一つでもあると思います。でも、特別なことをしなくても、究極のパフォーマンスとは、「音」だけでも“魅せる”ことができるものだと思います。
このブログでもしつこいほど書いていますが、技術がなければ、想いを表現することはできません。でも、想いがなければ、永遠に伝えることはできません。まずお客様に何を伝えたくて、そのためにできることを考えて、互いにコミュニケーションをとりながら、みんなで1つのものをつくりあげ、お客様も巻き込んで楽しめる舞台をつくっていきたいなと思います。

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