部活と学習の共通点 ~計画実行・環境整備・反復練習~

以前のブログで、「部活と学習の両立」について書いたことがありますが、今回はかつての部活通信でもう少し突っ込んで書たものを紹介したいと思います。
(参考)以前の記事「部活と学習の両立について」 → http://rapparapa.at.webry.info/201310/article_4.html
この仕事をしていてずっと感じていることは、「部活をきちんとやれている子は、学習もしっかりやれている」ということです。成績の良し悪しは若干あるかもしれませんが、取り組み自体はきちんとできているし、最後に受験となったとき、底力を発揮するのは部活を一生懸命頑張っていた生徒が多いように思います。
ここでは、「計画」「環境」「反復」という3つのキーワードに分類して、部活で求められていることと学習で求められていることの共通点を探っていきたいと思います。
■計画を立てる
部活では、次にどのような本番があり、そのためにいつまでに選曲をし、譜面を配り、演奏できるようにするのかという演奏面での計画と、運営面での計画を主に立てていく必要が出てきます。そして、計画が思うように進まなかった時には、少しずつ修正しながら、現状に合わせて実行していくことがとても大切です。
学習でも同じことが言えます。下の週間予定表は、吹奏楽部に所属していた生徒が高校2年生の時の1週間の予定表(公表する許可は取っています)です。あくまで計画なのでその通りにいかなかったこともあったそうですが、曜日ごとにやることを決めて、自分の課題と向き合う時間をきちんととれている一例だと思います。これに「今日はこれを終わらせる」という目標設定が加わるといいと思います。

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■環境を整える
練習環境という点では、時間や場所は学校である程度決められているものの、みんなが居心地の良い空間をつくることや、一人ひとりが課題を克服していくための練習メニューをたてること、休みの人に休んだ日の内容をきちんと伝えること、提出物などで居残りを要求されないようにすることなど、一人ひとりにできることはたくさんあると思います。
学習においても同じことです。家に帰るとテレビ、マンガ、ゲーム、布団など誘惑がたくさんあるかと思います(私は誘惑に負けるタイプでしたが…)。どうしても気が散ってしまうのであれば、朝のHRが始まる前や、部活が始まる前の時間帯、部活がない日の放課後など、ちょっとした時間に学校で勉強してみてはどうでしょうか。とにかく机しか向かうところがない環境に置かれると、意外と勉強ははかどるものです。しかも学校でやっていれば、分からないところがあったときに先生に質問に行くことができます(多くの場合、誰かしら教科の先生がいるはずです)。卒業したクラスの生徒を見ていても、こうした学校でのすき間時間をうまく利用していた生徒は、受験でも最後まで力を伸ばし続けていったように思います。
また、夜遅くなると集中できるという人は、部屋をちょっと暗めにして、勉強机だけ明るくするというのも意外と効果的です。あとは思い切って朝型に切り替えるのも手かもしれません。このあたりは一人ひとりに合った方法があると思うので、いろいろ試して、自分に最適の学習環境を見つけられるとよいかと思います。しかし、睡眠時間は削りすぎないようにすることが大切だと思います。
■反復練習
吹奏楽でいう反復練習には2つの意味合いがあると思います。1つは、毎日ロングトーンやアーティキュレーションなどの練習を続けていくことで、曲を演奏するための土台をしっかりとつくるということです。ずいぶん前になりますが、「笑ってコラえて」の吹奏楽の旅で、淀川工科のクラリネットの子が、ロングトーンの練習を欠かさずに行い「ロングトーンは大切です」と語っておきながら、コンクールのオーディション前にロングトーンをおろそかにしたために、オーディションで力を出せなかったという放送をしていたことがありました。基礎練は、一度できるようになったからといってやらなくていいものではありません。毎日毎日繰り返す中で「演奏するためのからだをつくる」という意味合いも大きいのです。勉強でも、一度覚えた英単語を復習しなくても1ヶ月後に全部言えるという人は多くないと思います。何度も何度も同じ事を繰り返す中で身につくものは、常にやり続けなければいけないのです。
2つ目は、できなかったことをできるようにするための反復練習です。合奏やセクション練などで、どうしてもできないところがあると「個人で必ずさらっておいてください」と言われることがあると思います。できなかったところは、できるようになるまで繰り返し練習するほかないのです。でも、何も考えずに、間違えたまま100回繰り返したところでできるようにはなりません。ゆっくりなテンポからやって、リズムが取れていないのか、音程を頭で歌えていないのか、指が回らないのか、など原因を追及しながら練習することで、はじめて確実にできるようになります。これは勉強も同じです。英単語を間違えたまま機械的に10回書いてもダメですよね。繰り返し粘り強くやることと、自分がなぜできないのか原因を追及することから逃げずに頑張って欲しいと思います。
部活で技術を高めようと日々努力を積み重ねることをしてきている人は、壁にぶちあたっても、それを乗り越えるだけの精神力を持ち合わせています。みんながその精神力を少しずつ付けていって、「部活やっていたからできなかった」という言い訳ではなく、「部活をやっていたからこそ頑張れた」と胸を張って言えるようになって欲しいなと思います。

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