普門館が消える日 ~ありがとう、吹奏楽の甲子園~

今日は、「吹奏楽の甲子園」とも呼ばれる「普門館」の運営元である宗教法人「立正佼成会」より、正式に現存する普門館の耐震補強・改修工事がされないことが決定したという通知があり、Yahoo!検索などでも大きな話題となりました。
私自身は、これまで全国大会とは全く縁のない吹奏楽生活を送ってきたので、舞台に上がるチャンスはありませんでしたし、全国大会のチケットも取れず、「吹奏楽の甲子園」となっている普門館での演奏は直接聴きに行ったことはありません。
ただ、実は密かに(?)普門館で行われていた東京都の中学校予選大会や都大会を聴きに行ったりして、あの独特な雰囲気の空間と、黒光りしたステージで演奏することに憧れを抱く一人でした。もし自分の中学校がコンクールに出場していたら、あの舞台に乗れたのに…と後ろ向きな発想をしたことも何度もありますし、せめて都大会には出場したいと必死に練習を重ねた日々のことも思い出されます。
指揮者として吹奏楽に携わるようになってからは、やはり、子どもたちをいつかは普門館に連れていきたい。コンクールに出場するからにはそんな想いでこれまでやってきました。
その普門館が、なくなる。
確かに音響からいったら他のホールの方がよいし、様々な事情も考えると、普門館にこだわる必要はないのかもしれません。まぁあれだけの収容人数を誇るホールはそうそうないですけど…。
でも、高校野球の全国大会が甲子園でなくなったら、高校球児たちはやはり同じようなことを思うでしょう。東京ドームや神宮球場だって大学野球や社会人野球、プロ野球で使われている立派な球場です。でも、やっぱり「甲子園」という球場に特別の想いを抱いて練習してきているだろうし、だからこそ敗戦したチームが再度その地を踏めるように「甲子園の土」を大切に持ち帰るのだと思います。
1995年の阪神大震災の際も、甲子園は一部が破損したものの、すぐに改修工事がされ、2か月後には同球場で選抜高校野球が行われたことが知られています。もちろん、東日本大震災時の天井転落事故を思うと、そのまま使用し続けるのは危険だし、今回の決定は仕方のないことかもしれません。
一吹奏楽ファンとしては、今回の決定は非常に寂しいですが、また新たな子どもたちの目標となるような「聖地」ができて、切磋琢磨しながら成長していってほしいと願うばかりです。
多くの吹奏楽部員に夢と希望を与えてきてくれた普門館、お疲れ様。そして、ありがとう。
追記:
「甲子園の土」があるのなら、取り壊す時には「普門館の床」をぜひ分けてほしいな、と思ったり…。

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