吹奏楽に筋トレは必要なのか?!

以前にも似た内容でブログを書き、出版した本にも掲載したのですが、灯台下暗しとはこのことで、うちの生徒に「強豪校は筋トレをやっているのに、なんでうちはやっていないのですか?!」ときかれてしまったため、改めてこの話題に触れておきたいと思います。
基本的な体力作りのための運動や、からだをほぐすためのストレッチは確かに必要かもしれません。でも、「楽器を吹く」という動作のために腹筋や腕立て伏せなどの筋トレや持久走をする必要はないと思っています。それは単純に楽器を吹くときに使う筋肉と、筋トレによって身につける筋肉は異なるからです。
だから、それよりは『楽器を吹くための』ブレスコントロールやロングトーンをきちんと意味付けてやった方が効率ははるかによい気がします。
ここで大切なのは、「きちんと意味づけて」というところです。
ブレスコントロールやロングトーンも日課練習として取り入れている学校は多いかと思いますが、ただ「やらされている」という受け身な意識で取り組んでいても、またこれは時間の無駄になってしまうと思います。
大きな音を瞬間的に出すためのブレスなのか?
小さな音で長いフレーズを吹き切るためのブレスなのか?
音を安定させるためのロングトーンなのか?
音程を確認するためのロングトーンなのか?
同じ練習であっても、その意味付けは様々です。そうした意味付けを指導者であったり、パートリーダーや学生指揮者だったリがきちんと指示した上で、みんなが納得した上でやるということがとても大切なことのように思います。
マーチングをやるのならまた別の話かもしれませんが、筋トレやって楽器が上手くなるんだったら、大げさな話、プロの演奏家はみんな筋肉隆々ということになるかもしれません。
「吹奏楽に筋トレが必要」という神話は、結局辛い練習に耐えたという根性論からきている気がします。
練習に充てられる時間は限られています。だからこそ、その時間を大切に使うためにも、そういった根性論に任せた練習メニューを組むのではなく、『より奏でたい音楽のために』何ができるかを考えて、音楽を奏でる練習をしたいものです。

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