トランペットを吹く方は、コルネットやフリューゲルホルン、ピッコロトランペット、C管トランペット、ロータリートラペットなど、様々な楽器と持ち替える機会があるかもしれません。
私も最近、トランペットとコルネットと持ち替えて練習する機会があったのですが、トランペットよりもコルネットの方が手前で構えなければいけないこともあり、コルネットからトランペットに持ち替えるときに、口にマウスピースを強打することがこれまでもしばしばありました。
そこで、先日のSelf Quest Laboの授業の際に相談してみたところ、先生方に次の2つの提案をしていただきました。
[トランペットとコルネットの距離の違いを数値で認識する]
まずは、それぞれの楽器について、マウスピースの口にあたる部分から、1番ピストンまでの距離を測定してみました。楽器によって違いはあると思いますが、私の楽器はトランペットが約20 cm、コルネットが約12 cmと、8 cmも違いがありました。
それぞれの距離を、指でとってみるとどれくらいなのかを確認してみました。私の場合は、親指と小指を目いっぱい広げてようやく20 cmくらい、親指と人差し指を軽く開いたくらいが12 cmくらいでした。
それを実際に目で見て、長さを確認してから楽器を構えてみると、コルネットよりもトランペットは遠くてもマウスピースが口元にやってくることが分かっているので、必要以上に肘関節をが曲げ過ぎることもなく、スムーズに構えられるようになりました。
[トランペットとの違いを明確にして構えてみる]
これでコルネット→トランペットへの持ち替えはスムーズにいくようになったのですが、今度はコルネットを吹くときに、腕がかなり胴体と密着してしまい、息苦しさを感じるということが気になってきました。
肩甲骨や鎖骨などを動かす筋肉には、肋骨など胸郭にある骨にくっついているものも多いため、腕が自由に動かせる状態にないと、呼吸に影響してしまうことがあります。
さらにここで、コルネットを吹くとき、トランペットと何が違っているのかを、改めて整理してみました。
- 管の長さは同じ
- 管の太さの広がり方がトランペットよりも緩やかで、管の巻き方も緩やかに巻いてあるので息が入りやすく吹きやすい
→トランペットと同じ量の息で吹くと、跳ね返ってくる抵抗感が強くなる - 口とマウスピースの密着度は、コルネットの方が小さくていい
- トランペットの管が1回巻きなのに対し、コルネットの管は2回巻きなので、身体の近くで構えるため、そのままだと上体と腕の間の空間が狭くなる
そこで、次のようなプランで構えてみることにしました。※数値は適当です
- トランペットよりも少し股関節を曲げた状態で構えられる
- 口とマウスピースの密着度は小さくていい(当社比23 %ダウン)
- トランペットよりも少ない息でいい(当社比15%ダウン)
これらのことを意識して吹いてみると、かなり自由に演奏できるようになりました。
ただ気を付けたいのは「股関節を曲げる」「密着度を下げる」ということを意識しすぎて、元の比較対象を忘れて、その動作をやりすぎてしまうことです。あくまで、トランペットを基準にしたときのことであるということは念頭においておくことが大切だと思います。そして、頭が自由に動ける状態で、コルネットを構えるために、どのように身体をつかっていけばよいのか、その場で感じたことをキャッチし、修正しながら、よりよい状態を常に探り続けていくことが何より大事なことのように思います。
このように、自分の感じていること、考えていることを言語化したり、(たとえ適当であっても)数値化してみることで、「何となくできない」「何となくできる」ということの理由が明確になり、起きていることを分析して、やりたいことを実現するためのヒントを自分自身で見つけていけるようになるような気がします。
今回はコルネットについて考えてみましたが、他の楽器についてもいろいろ分析して、持ち替えをしても自分の力が十分に発揮できるように、練習していきたいと思います。
あくまで、自分の場合の話なので、ご参考までに。