「うまくいっている状態」をイメージして、ポジティブに向かっていくこと

私たちはつい、うまくいかないことがあると、その原因探しをしてしまうことが多いように思います。
例えば、テストでできなかった問題があった時、間違えた理由を探して、次は同じ間違いを繰り返さないように復習をする、といったことはよく行われることです。決してこれが悪いことだとは思いませんし、そうやって一つひとつできないことをできるようにしていく取り組みは必要なことだと思います。
ただ、「うまくいかない原因」ばかり探していると、「うまくいかない」ということに焦点があたりすぎて、思考がネガティブになりやすくなる気がします。
例えば、なかなか模試の偏差値が上がらないという時に、あまりにもその数字に固執しすぎてしまったり、できなかった原因探しをしすぎて、できない自分ばかり突きつけられてしまうと、何でこんなにも自分はできないのか、もう自分はダメなのではないかなど、否定的な想いが強くなるように思います。
これを自分の中だけでやっていても否定的な気分になってくるのに、学校では「反省点をあげなさい」という名のもとで「ダメ出し」を互いにし合う場面が少なくありません。もちろん、みんなで改善点を話し合うための材料になるわけなのですが、子どもたちが互いにダメだったところばかりあげていく様子というのは見ていてなんだかなぁと思うこともあります。
本当はダメ出しをすることよりも「今よりもっとうまくいくためには?」と考えて行動した方が、アイディアも湧くし、建設的な思考で取り組めるように思います。
結果として「前回できなかった理由」にたどり着くとはあるかもしれません。でも、「もっとうまくいくためには?」と考えてたどり着くのと、「前回どこがダメだったのか?」と考えてたどり着いたのでは、その後への繋がり方が大きく変わるような気がします。
前回できなかったという事実は、残念ながら変えることはできません。だからこそ、前回できなかったところにばかり注目してしまうと、「なぜ自分はできなかったのだろう」と過去を振り返ることしかできなくなってしまいます。前回できなかったことを次に繋げていくためには、その事実を受け入れながら、また新しく成功するために何をしていきたいかを考えることが大切です。
楽器の練習でも同じことが言えると思います。
外してしまった音、間違えてしまった音、思うように演奏できなかった事実を覆すことはできません。いつまでもそこに執着して「あんな風にはなりたくない」と思って弱点潰しのような練習するよりは、「こんな風に演奏したい」と思って自信が持てる部分を少しずつ増やしていくような練習ができたらいいように思います。
ポジティブに考えることは、決して楽観的ということではありません。本当にそうしたい、そうなりたいと思うことを口に出していくと、自分の行動もその方向に変わっていくものだと思います。
自分の足も他人の足も引っ張らずに、お互い高め合える思考や言葉の使い方を心がけたいものです。

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