ありのままの自分で本番を迎えること ~緊張を味方につけて音楽するために~

昨日は所属オケの本番でした。
ということで、朝はどうやら緊張(興奮?)しているらしく早く目覚めてしまいました。
しかし、緊張はエネルギーの源。
もともと動物は、目の前に迫る「危険」に対して体を緊張させ、「すぐに戦える」状況をつくり出す機能を身につけてきました。過度な緊張は体の硬直を生んだり、呼吸が浅くなったりと演奏に対してマイナスの現象を生み出します。でも、全身に走る緊張感を集中力に変えることができれば、音楽を奏でるためのパワーにすることも同時に可能であるわけです。

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でも、本番だからといって、それまでにできなかったことがいきなりできるようになることはそうそうありません。
だから、「間違えてはいけない」「外してはいけない」「今までで一番できなければいけない」と自分を追い込んで、いつもよりかっこよく見せようとしたところで、うまくいくはずがありません。
ありのままの自分でいること。
それが、本番に臨むにあたっても、意識として一番大切なことなのかもしれません。
そんな風に思いながら臨んだ本番でしたが、やはり「間違えてはいけない」「外してはいけない」という気持ちは強く残り、結果として頭が真っ白になって音が分からなくなってしまったり、指が回らなくなったり、音を外したりということが多々ありました。
そして改めて思ったのは、真っ白になっても大切なのは音楽にのることを忘れないことです。そうすれば必ず音楽に戻ってこれるし、そこから先は自分のやりたい音楽を発揮できると思いました。
演奏会全体としては1200名以上のお客様に囲まれ、熱気と気合いに加え、オケ全体がこれまでに積み重ねてきたものが発揮できたとても素晴らしい本番だったと思います。
それは、本番だからこそできることでもあったかなと思います。それは、お客様がいて、ホールという空間があって、気持ちが高揚した仲間たちがいるからこそできること。何が起こるか分からない。そんな「live」なやりとりの中で生み出される音楽をこれからも楽しんでいきたいなと思います。
ただ、本番終了後のコンミスのあいさつで、「金管はもっとできる能力を持っているはず」と言われた時には、自分もまだまだ本来の力を出し切ることができていないなと思うと同時に、元々の力も底上げしていきたいと強く思いました。
でも今回の本番を通して何より大切だと思ったのは、共につくり上げたいと思う音楽を共有できる仲間がいることです。歳や立場なんて関係なく尊敬できるプレイヤーと一緒に音楽と向き合うことができることに感謝し、その原点に帰ったとき、すべてを受容できるようになる気がします。そして、それが自分自身の音楽を深めていく第一歩になるのだと思います。
共に奏でた仲間たち、そしてご来場いただいたたくさんのお客様に感謝します。
ありがとうございました。

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