「音を飛ばす」とはどういうことか?

音は一方向に指向性を持って進んでいくものではなく、四方八方に響きが広がっていくような伝わり方をします。よく「音を飛ばせ」という指導がされることがあると思いますが、実際に音が飛ぶことはありません。
でも、その言葉の真意は分かる気がします。要は「音を飛ばせ」という表現は、「遠くまで響き渡る音で吹け」ということなのだと思います。
そのためには、力一杯スピードのある息で音を押し出していくというよりはむしろ、楽器のツボをとらえて、響きを遠くまで伝達させるようなイメージで吹いた方が、力まずに自然な音で客席に響き渡るような気がします。実際やってみると難しいのですが、そこを目指したいところです。
音を伝える媒体がないときは、音は伝わりません。発音体が振動して、その振動が空気などの媒体に伝わるというように、振動の連鎖によって音は伝わっていくものです。
だから、クレッシェンドもただやみくもに息を増やせばいいというものではなくて、振動を増やしていこうと考えると上手くいったりします。
「音の正体は振動である」
金管楽器なら唇、木管楽器ならリードなどが振動することで音は始まります。そしてその振動が楽器に伝わり、空気に伝わり、空間に広がっていきます。このことを意識しているだけで、無駄な力みはとれるし、いかに自分もその振動に同調できるかを考えることで、楽に楽器を響かせることができるようになると思います。
何でも頭でっかちになりすぎるのはよくないけれど、理論をある程度理解して行動することは大切だと思います。
実際に伝えたいことをどのような言葉を用いて伝えていくべきなのか、これからも考えていきたいものです。

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「音を飛ばす」とはどういうことか?” への2件のコメント

  1. ツイッタ―のフォローありがとうございます。
    ツイートの中で言った「ホールの一番奥の人に吹きなさい」は手の届く人を呼ぶのとホールの端の人を呼ぶのでは声の出し方が違う、同じように演奏も端の人に向かって演奏すると自ずと響きが変わるということです。
    これは音楽隊時代初ソロをもらった時に先輩から教えてもらいました。
    人間は本当に心ひとつで変われるものだと感心した出来事でした。

  2. コメントありがとうございます!
    伝える相手を意識して吹くことはやはり大切なんですね。自分自身も、指導する際もその伝え方を使ってみたいと思います。
    これからもよろしくお願いいたします。

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