やる気のない後輩を振り向かせるには?

先日、Twitterのフォロワーさんと「やる気のない後輩をどうすれば振り向かせることができるか」というやり取りをしました。そこで考えたことを少しつぶやいていこうかと思います。
何を隠そう私もかつては「何でやる気ないの?!」と自分(とその周り)だけがやる気があって、自分よりやる気のない仲間を見ると怒り狂っていた人間なのですが、この仕事に就いてから少しずつ考え方が変わってきました。
本来、「やる気」とは能動的なものであって、誰かに引き出してもらうものでもないし、ましてや「やる気を出させよう」などと押し付けがましく人に要求するものではありません。
でも、いわゆる「やる気スイッチ」を押してもらったかのように、外因的な何らかのきっかけによってやる気を起こした経験がある方も多いことでしょう。
例えば、人にちょっと褒められたとき。嬉しくなって、褒められたことをもっとやろうとしたりしないでしょうか。
このように、人のちょっとした行動や言動がきっかけとなって、重い腰を上げる人も少なくないのかなと思います。
一方で、「勉強しなさい」「練習しなさい」に代表される「~しなさい」という言葉に、それまでやろうとしていたやる気が削がれてしまった経験がある方も多いことでしょう。
人の言葉ひとつで「やる気スイッチ」はONにもOFFにもできる。そう考えると不思議なものです。
ここで原点に立ち返ってみます。
「やる気」は内発的なものであり、人に強制されるものではありません。
だからこそ、もし誰かのやる気を引き出そうと思うならば、その人が「何を望んでいるか」というところに注目する必要があるように思います。
望んでいるものが自分と相手とで異なる場合、同じ方向に向かうやる気を起こさせるのは至難の技だと言えます。
もし絶対に自分が正しいという確信があったとしても、もし相手を振り向かせようとするならば、相手の気持ちに寄り添ってみることも必要なことだと思います。
そこから相手が真に何を望み、何のために今そのような行動をしているのかを想像するだけでも、声のかけ方は変わってくるはずです。
あなたはもし、練習中にどうしてもふざけてしまう後輩がいたらどうしますか?
もちろん毅然と叱ることも大切なことでしょう。
でも「叱られないように練習する」というルーティーンが出来上がってしまうのも考えものです。
難しいところですが、次のように考えてみるとどうでしょうか。
もしかしたらその後輩は、 楽器で本当に楽しい!できた!って思った瞬間がないのかもしれない。
もしそうだとしたら、決められた練習をこなさなければならない、という思いの方が強くなってしまって、なかやかやる気が出てこないというのもあるかもしれません。
そんなときは思いきってその子達に練習のプランを考えてもらったり、少し任せる場面をつくってみるのもいいかもしれません。
人は誰でも頼られたり、任されたりすると自信を持てるようになるものです。いつも練習しても先輩に怒られてばかりで自信をなくしている後輩だったとしたら、少しでも良くなったところを褒めることも大事なことだと思います(根拠なく褒めるのはまた別ですが)。
こんな風に、いつまでも先輩の枠内で閉じ込めておくのではなく、たまには自由にやらせてみること。それによってまとめる苦労や仕上げていくために必要なことを自分で考える習慣ができてくるような気がします。
手放すことは勇気が要ります。
手取り足取りの方が思い通りになるかもしれません。
それでも、本当に相手のやる気を引き出そうと思うのならば、自分が立ち止まって、相手の気持ちを受け止める勇気を持つ必要もあるのかなと思います。
とはいえ、現実にはなかなか難しい問題だとは思いますが、焦らず急がず、互いが歩み寄りながら楽しく部活動に打ち込める環境を自分はつくっていきたいと思います。

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