真の信頼関係を構築していくために ~本音でぶつかることと辛く当たることは別のこと~

コンクールも終わると、最上級生が引退して新体制になる部活も多いことかと思います。
そこで大切になってくるのは、今までの良い伝統を守りながら、新体制での目標を持ち、スタートを切ることのように思います。中には、それまでの悪い慣習を打ち破って、根本的に改革をしていくことが必要になることもあるかと思います。
私が顧問をしている部活は、コンクールで引退、という形ではないのですが、コンクールを通して見えてきた課題を根本から変えていこうという動きを始めたところです。そのきっかけとして、子どもたちにとっては少し理不尽にも思えるだろう厳しい言葉を投げかける機会がありました。
本当はもっと他にも言い方があったのだろうなと思います。
「変革には痛みが伴う」のかもしれないけれど、子どもたちにとって、この一瞬一瞬は、二度とやってこない大切な一瞬一瞬であって、そこで辛い思いだけをさせるのは本望ではありません。なのに、自分の言動で傷つけてしまったとしたら。取り返しのつかないことをしたことになるわけで、少し後悔する部分もありました。でも、話し合いを重ねる中で、子どもたちは私の言葉の真意を受け止めてくれました。そこがせめてもの救いだったように思います。
「あたたかくすること」と「甘やかすこと」は違うことです。でも、「厳しさをもつこと」と「辛くあたること」も違うことです。そこをはき違えないようにすることはとても大切なことだと思います。
吹奏楽は一人ではできません。
だからこそ「集団づくり」は大切なことだし、一人ひとりが自分の役割を分かった上で、互いに足りないところは補い、持っているものは高め合いながらかけがえのないチームづくりをすることは必要なことです。でも、個性を押し潰し、一つの価値観だけを植え付けるのはまた違うことです。
「こんな自分でありたい」という理想像を掲げることは大切だけれど、自分で「こうあらねばならない」とがんじがらめにしてしまうのは自分のことを追い込んでしまうだけです。時に道を踏み外しても、それも自分だと素直に受け入れることができたら、追い込まずに先に進めるような気がします。
他人に対してはなおさら、「こうあるべき」を押し付けたところで他人を変えることはできません。相手が「こうしたい」と思う状況にいかに持っていくか。時には荒療治も必要なのかもしれないし、そのために演じることもあるのかもしれないけど、自分はやっぱり本音でぶつかっていきたいし、語り合いたいと思うのです。
時には感情をぶつけ合い、本当に思っていることを熱く語り合うことも必要なことです。でも、いつもどこかに冷静さを持ち合わせていることも大切です。そうでないと、ただの足の引っ張り合いになって、前に進むことができなくなってしまうこともあるからです。相手の良いところをすかさず見つけること、大事にしていきたいものです。そういうところなしに、信頼関係を構築することはできません。
子どもたちと真の信頼関係を構築し、部活全体があたたかい家庭のような、一人ひとりに居場所のある空間になるように、これからも力を尽くしていきたいものです。
(Twitterまとめ)

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