「丹田」とは何か? ~解剖学書には載っていない場所の不思議~

先日、Body Chanceの授業で「『丹田』とはどこのことか?」という話が話題になりました。
吹奏楽などをやっていると、「丹田に力を入れて」などと指導されることも少なくないように思います。私自身、大学時代にある先生が「臍下丹田」といって、膝を曲げて上体をできるだけ低い位置まで落とし、背中をそらせて、お腹で踏ん張って声を出させるということが恒例行事になっていました。
しかし、解剖学書を読んでみると、「丹田」という場所はありません。
では、「丹田」とはどこのことを言っているのでしょうか?
大辞林によると、
「へそと恥骨の間の腹中にあり,東洋医学の身体論で,心身の活力の源である気の集まるといわれるところ」
と書かれています。
また、いろんなWebサイトを検索してみると、多くのサイトで次のように書かれていました。
「丹田とは、気を集めて練る事により、内丹を作り出すための体の部位。
気が集まる場所とされる。
丹とは、気エネルギーが蓄積され赤く輝く状態を指し、
田とは、そのエネルギーを貯める器を指す。
当然のことながら、解剖学的には丹田は存在しない。
目に見えない気の世界で存在する。
伝統的に、丹田には、上丹田・中丹田・下丹田の3つの丹田があると言われ、
上丹田は頭-眉間の奥に、中丹田は胸-胸中央に、下丹田は下半身-ヘソ下3寸にある。」

(気功info http://kikou.info/page/cat2/164.php より)
歴史のある東洋医学や気功の世界で重要とされてきた場所である以上、何らかの役割があることは確かなことだと思います。ただし、「楽器を吹く」という時には、気を付けていないと必要以上にお腹に力を入れてしまい、自由に奏でられなくなる原因にもなりかねません。日本の管楽器奏者が腹直筋をかためやすいのも「お腹に力を」「丹田に力を」と言われ続けて育ってきた面が大きいというのも否めません。
授業の中では、「丹田」の場所として次の場所が候補としてあがりました。
それは、仙骨のあたり、骨が地面と水平になっているところあたりです。

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アレクサンダー・テクニークと東洋医学の考え方を融合する。
頭が自由に動けて、体が全部ついていって、息を吐くときに丹田の場所を意識してみる。
もしかしたら、そのアプローチで上手く吹けるようになる人もいるのかもしれません。まずは自分で少し試してみようかなと思います。

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