バジル先生のココロとカラダの相談室 ~脱・根性論!吹奏楽指導でHAPPYに!?~ に参加して

昨日はバジル先生の吹奏楽指導者向けセミナーに参加してきました。
他の参加者の方々がどんなことに関心をもっているのかを知れたのも良かったし、改めてアレクサンダーテクニークをどう指導に活用していくかといったことを自分なりに考えることができて収穫でした。
また「音楽は(やりたい音楽を奏でるという)結果が一番大切」ということを感じることができたことも大きかったし、生徒たちの奏でたい音楽をどう引き出し、それをどう共につくっていくか、何より生徒たちと楽しく音楽を奏でるために自分にできることは何か、そんなことを改めて考えるきっかけともなりました。
今日のブログは、そのセミナーの覚え書きをしていきたいと思います。

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[いい姿勢とは?]
「いい姿勢」というものはない。
本来、「姿勢」とは“動的なもの”を指しているが、「いい姿勢」となってしまうと、“静的なもの”になってしまう。演奏に適した姿勢を探っていくことはできるが、「いい姿勢」という固定化されたものはない。
[動力には自発的な望みが必要]
先生がやれといったことがよくわかって、やりたいと心から思えたらやればいい。納得がいかなかったら、今、自分が納得のいくことをやる方がよいこともある。
録画や録音など自分の演奏を客観的に見ることで動力が湧いてくることもある。
「できるようになる」ということは「未知の体験をする」ということ。それまでの歩みを信頼して、未知の体験へ向かう気持ちになるようにサポートするのが指導者の役割。
[アレクサンダー・テクニークとは?]
シェイクスピア俳優であったF.M.アレクサンダー氏が、「声が出なくなったところから、またシェイクスピア俳優としてやっていくためにどうしたらよいか」という自らの体験をもとにまとめられたもの。現在世界には6000人のアレクサンダー教師がいるが、日本にはまだ40人ほどしかいない。
人間の身体は、欲求を満たすために動いている。
アレクサンダー・テクニークは、一見すると壁の乗り越え方にも見えるが、「向かいたい方向への向かい方」とも考えることができる。
①望むこと
 まずは本当にしたいと望むことは何なのかを知ることから始まる。
②現状を認識すること
 生徒が気づけるようにいろいろな提案をするのが指導者の仕事。何がいい音か、「聴き方」を教えてあげることも大切。
③決めること
 行きたい方向に行くかを決めることはとても大切なこと。行かない、という選択肢もあり。
④情報収集
 行きたい方向に向かうために必要な情報を集める必要がある。十分に情報を集めないと、あてになるプランが作れず、迷いが生じてしまう。指導者こそ、生徒よりもいっぱい情報収集をしているはずだし、する必要がある。
⑤新しいプランをつくる
 行きたい方向に向かうための新たなプランをつくってみる。一つに限ることはない。
⑥自分を(他人を)その気にさせる
 実行できるように励ますことが必要である。他人に対しては、信頼関係を築いていることも重要。
この①~⑥を実行するために、「頭が動いて、身体全体がついてくる」ということが必要になってくる。
頭を固めてしまうと…
 ・立ち座りがぎごちなくなる
 ・声が出にくくなる
→頭だけでなく、足の先まで影響が出てくる
[個人レッスンの様子]
◎クレッシェンドがうまくできない(Cl)
・「クレッシェンド」という芸術を奏でるために、頭が自由になって、身体全体がついてくるようにして、奏でてみる。
・「クレッシェンドをしてる感」が大切なのではなくて、聴こえてくる音が大切。音より体に意識が向くとならないようにする。
・これまでクレッシェンドがうまくいかなかったのは、クレッシェンドをするときに「下に」を意識しすぎていたから。
 →吸う時は肺に空気が入る(=肋骨が前後に広がる)。吐くときはお腹の力を使う。吸う時、吐く時で身体のどの部分を使うのか、役割を考えてみる。
◎中音域のやわらかいフレーズがうまくできない(Hr)
・「基礎」という言葉にとらわれすぎずに、「○○(基礎に相当するもの)の芸術」を奏でてみようと考えてみる。
・身体が後ろにそりすぎてしまっているのが原因。自分では少し前傾姿勢に思うかもしれないが、胸のあたりをゆるめて吹いてみると上手くいった。
◎高音が当たらない(Hr)
・HrやFlの構え方 →身体は右側を向き、首から上を左にひねって顔を正面に向ける。その後、マウスピースを口に持ってくる。胴体をひねるよりも、無理のない姿勢でブレスをすることができる。
・「うまくいった印象を再現する」だと、感覚に頼ってしまうのでよくない。
・指が先に動いてから音が変わると考える →音が当たらないのは指がはまっていなかったから。
[質疑応答から]
Q.レッスンはみなさん立奏だったが、座奏の場合はどうなるのか?
A.立奏より座奏の方が吹きづらいのは確か。そのデメリットをとるために、一回前に倒れてみて、股関節から起き上がって、顔が前を向いたところで止まってみる、というのをやってみるといい。腰を前に出して背中をそらせる方向で姿勢を良くしようとするとよくない。「立つ方向」(=足に体重を乗せて前にいく方向)に向かっていくと、上手く身体が使える。実際、プロの演奏家を見ていると、ほとんど立ち上がってしまうのではないかというくらいで演奏しているプレイヤーもいる。
うまく言えませんが、こうしたセミナーをきっかけに、根性論に頼らず、本当に奏でたい音楽を実現するための吹奏楽指導が広まっていくといいなと思いました。
今日は貴重な機会をありがとうございました!

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