ハイトーンって、どの音から?

ラッパをやっていると、やっぱりハイトーンというものに憧れるものです。
でも、考えてみると「ハイトーン」ってどの音からなのかと言われると、人によって定義が分かれるような気がします。
自分も今ではいわゆる「ハイベー(High B♭)」を境に「高いな」と思いますが、小中学生の頃はGより上は高い音だと思っていましたし、楽器を始めたころは「チューニングのB♭」より上は高い音だったような気もします。エリック・ミヤシロさんなどの演奏を聴いていると、ダブル音域になって、ようやく高い音吹いているんだなと感じるくらいです。
このように、一人ひとり「高いな」と思う音域は少しずつ違ってくるし、発音が(低)To-Tu-Ti(高)と変わっていくときにも、どこかでスイッチを切り替えたようにバシッと発音が変わるのではなくて、だんだんその発音に近づいていく感じがするので、実は「ハイトーン」というものは存在しないのかもしれません。
ハイトーンが出ないわけ。
それにはもちろん息の使い方や技術的なことが未熟であるところもあると思いますが、もしかしたら、次のような思考のサイクルも関係してくるかもしれません。
ハイトーンだと思い過ぎる
  ↓
かえって力み過ぎて、思ったように音が出ない
  ↓
ハイトーンがキツいものに感じて、さらに苦手意識を産み出す
  ↓
結果として出にくいものになっていく

高音も表現のための一つの音域だと思って、自分のからだや思考ををよく観察して、呼吸やプレス、楽器の構え方を探究してみると、意外とスムーズに出てくれるものだったりもします。
最近は、上唇に密着させて下唇は楽にして、密度の高い息を送り出すことで、ハイトーンも自分の音域になっていくような気がしています。
このときも体の重心を下げて力任せで踏ん張って吹くのではなく、頭が動けてからだ全体がついてきて、一緒にフワッと持ち上がっていくように意識するとより高い音域は出しやすくなるように思います。
息の流れと音の勢いに正直であること。
それがもしかしたらどの音域を吹くにも大切なことなのかもしれません。

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