タテを合わせるために必要なこと

「タテを合わせなさい」
吹奏楽でもオーケストラでも、大人数で音楽をつくりあげるときには必ずといっていいほど言われたことがあるかと思います。
でも、「タテを合わせる」と思って吹くと力んでしまい、かえって合わないことも多いような気がします。それに何より、誰もタテをずらそうと思って吹いてはいないはずです。
そんなときは「ノリを合わせる」と考えて、メンバーみんなでグルーヴ感を出していけば、もっと楽しく音楽をやれるし、結果としてタテのそろった演奏になる気がします。
まずそのノリをどうやってつくるかが肝心。そんな風に思います。
そう考えてみると、「メトロノームに合わせる」というのは実はナンセンスなのかもしれません。確かにメトロノームは便利な道具ですし、基準となるテンポを正確に示してくれますし、利用して練習することで、結果的にタテがそろうようになることもあるでしょう。
しかし、メトロノームに合わせて練習するときには注意が必要です。メトロノームの音に合わせようとしたら、わずかなずれが積み重なっていく恐れがあるからです。
なぜなら、音速は秒速約340m。光と比べたら進む速度はとても遅いものです。ですから、ほんのわずかですが、メトロノームの音を聞いてから反応して吹き、音がなるまでにはロスタイムが生じるわけです。このロスタイムが人によって若干異なるために、聞こえてくるテンポに合わせているつもりでも、なかなかタテが揃わないということは十分にあり得る話です。
本当は、メトロノームが刻む鼓動を自分の鼓動と同調させるくらいに考えて、常に自分がノリをつくりだしているのだという意識をもって奏でること。それが生きた音楽につながっていくような気がします。
機械は便利です。
チューナーもメトロノームも上手に使えば練習の助けになってくれます。
でも機械に支配されてはいけません。
正確さも大切だけれど、今そこにいるメンバーがつくりだしたノリにのって、今そこにいるメンバーでしかつくれない音楽を生み出していくこと。そこにきっとライブの面白さがあるように思います。
理想論と言われてしまえばそれまでだけれど、あくまで機械は基準を示してくれるもの。それをどう活用していくかは人間の能力なのだと思います。
自分も肝に命じて、機械と上手に付き合っていきたいものです。

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タテを合わせるために必要なこと” への6件のコメント

  1. グルーヴ感の素になるものは何でしょうか?
    私はパーカッションとベースの関係性だと考えてます。
    なので、縦が合わない時はまず低音パートの発音状況を確認します。低音の立ち上がりが合ってない、又は遅い時には縦の線が怪しくなる傾向があるように思います。
    なので、中音域以上に縦を合わせさせる前に、低音のノリを曲調に合わせて、まえノリかあとノリかジャストかを調整しています。

  2. 貴重なご意見ありがとうございます。
    確かに低音とパーカッションをかためることは自分も大事にしています。その後で、内声のリズムを確認して、最後にメロディをのせていくような感じにするとよいように感じています。
    あとは、全体で足踏みと手拍子をさせて体で感じることをやらせてみたり、といった感じでしょうか。。

  3. 足踏みは頭を痛めております。
    演奏中に足でテンポを踏みながら吹く癖のある生徒がいまして
    しかも、その足が遅いのです、そしてその遅い足に合わせて吹くので音の出も遅いのです。
    足を踏まないようアドバイスしますが、一向にやめません。
    スレ違いで恐縮ですが、先生はどうされてますか?

  4. 一人一人の感じ方が違っていることを示すために、演奏中わざと足踏みをさせることもありますが、基本的には足踏みはしないように指導をしています。それでも、やめられない生徒はいますが…。悩ましいところですね(^^;

  5. お返事ありがとうございます。
    先生も特効薬はお持ちでないですか
    これを前向きな提案に置き換えられず、
    なかなか手こずっております。
    気長に指導します(´▽`)

  6. 特効薬、難しいですね。。
    もし何か名案発見しましたら教えて下さい。
    今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

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