音楽は歌が原点である ~玉名女子高校のDVDを見て~

昨日、玉名女子高校のDVDが届いたので早速見てみました。今日のブログはそのレビューです。

毎日、最初に部員のモチベーションを揃えるために屋上で30分基礎練習をするということが紹介されていました。今、自分の学校ではやれていませんが、私は毎日最初に基礎練習を全員でしてから、その日の練習メニューに入っていくことはとても意味のあることだと感じています。実は「30分でできる!吹奏楽デイリー・トレーニング」という本も、毎日全員で取り組むために書いた本です(現在、改訂版を準備中)。
また、マーチングに取り組んでいるということもあると思いますが、この基礎練習のときに、全員が足踏みをしながらやっているのが印象的でした。全員が体でテンポを感じながら演奏する習慣がつくと、自分から音楽をつくり出そうという気持ちを生み出す意識を高められるような気がします。
そして何よりいいなと感じたのは、チューニングを歌うことから始めることです。こちらもテンポ同様、自分が発音体となって、自分で音をつくり出すという意識を高めることができますし、無理ない奏法で正しい音程で奏でられるようになるにはとてもよい方法だと感じました。
また、チューニングでもB♭音にこだわらず、そこを基準にして様々な音の感覚を合わせていくこともとても大切だと思いましたし、6グループに分けてのチューニング、B DurとH Durのスケールをやることで全音を出す練習をすること、リップスラーとハーモニーの練習、吹き抜きの練習、どれ一つとっても、あの玉名女子の「鳴っているけどうるさくない、心地の良いサウンド」をつくりだすのに必要なものだと痛感しました。
さらにコラールの練習の応用として、叙情的なフレーズの練習、アンサンブル力を高めるためのシャッフル練習、全員でメロディを感じる練習を取り入れているところも素敵だと思いました。これによってコラールの練習の意味合いが何倍にも膨れ上がるし、それに色彩感を意識した練習をすることで、あの玉名女子らしい音楽的な表現力に結び付いているのだなと思いました。
このDVDを見て、自分自身が楽しむことはもちろんだけれど、相手にどううったえかける音楽をつくれるか、聴き手に「伝える力」を磨く練習を普段から積んでいけるかがポイントなのかもしれないと思いました。だからきっと、玉名女子の演奏を初めて聴いたとき一目惚れしたのだろうなと思います。
そして、
「指導者がどれだけ体を張って自分のやりたい音楽を表現することができるか」
「コンクールに出るのは命がけ。出るなら100%自分を出しきる」
「音楽に失礼なことはできない」
「退路を絶って覚悟を決める」

という最後の米田先生の言葉には身が引き締まる思いがしました。これからが自分との勝負です。自分も頑張りたいと思います。

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