誰でも、楽器を吹いていると何だか調子が悪いなぁと感じることがあるかと思います。
「調子が悪いなぁ」と思いながら吹いていると、気持ちも焦ってきて、悪循環に陥ることも少なくありません。
自分もこれまで、何度となく調子が悪いなと感じることがありました。先日も、楽器を出してみたものの、マウスピースがただの金属の塊のように感じてしまい、音もカスカスで、吹いているのが嫌になるほど調子が悪くなりました。
そんな状況で臨んだレッスン。初めはちょっと暗い気持ちでした。
でも、先生にアドバイスを頂きながら吹いていると、だんだんと音色が良くなっていって、レッスンが終わる頃にはだいぶ回復していました。
レッスンでは、唇とマウスピースの接点について、楽器の角度など、外観から分かることもいろいろ指摘して頂きましたが、何より効果的だったのは「いい音で吹く」というアドバイスでした。そのためにどうすればいいか、根本の吹き方から考え直すことで、状態は改善していきました。
奏法や姿勢といったものも大切だと思いますが、何のためかと言えば、「いい音、いい音楽を奏でるため」です。その目的を忘れて、ただ闇雲に形だけ直そうとしたところでうまくいくはずはありません。
楽器の調子が悪いなと思ったら、見た目とか上手くいっていた時の感覚をあてにすることは一旦置いておいて、まず音色に注目してみる。よい音色で楽器が響くにはどうすればよいのか、初心に戻って探究してみる。
このように今の自分の状態をよりよい方向に導くために何をすれば良いかを考えることは、何か悪いところを直そうとするよりも、建設的に問題を改善していけるような気がしました。
もちろんその過程で、「頭が動けて、体全体がついてきて~」というアレクサンダー・テクニークも使えたら、体全体の協調作用も良くなりますし、より自然に奏でる状態に近づいていけるようになると思います。
今回私が試したのは、
①頭が動けて、体全体がついてきて
②腕は鎖骨からを意識して、マウスピースを口に持ってくる
③上唇にマウスピースを密着させて、下唇はリラックス
④いい音をイメージして、楽器を響かせてみよう
というプランでしたが、これが今回の私にはぴったりでした。
レッスンだと上手くいくことが多いのは、先生がフィードバックして下さったり、上手くのせて下さったりすることに加えて、実際にいい音を間近で聴くことで、それに近づこうといろいろ試してみることも原因としてあるような気がします。それを自分自身でもできるようなれるかが難しいところです。
ただ言われたことだけやっていたら、その場で何となくできた感じで終わってしまい、自分自身でできるようにはなりません。でも、考え過ぎてしまったり、その時の感覚に頼って練習していると、ドツボにはまってしまうこともあります。もっと単純なことを大切にしていくのが一番なのかもしれません。
昔からせっかちで焦って慌てる習性があるので、調子が悪いと思ったら闇雲に吹くのではなくて、一旦楽器を置いて、いい音をイメージして、ゆっくり音出しをしていきたいと思います。
調子が悪い時に注目することとは?
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