吹奏楽コンクールの選曲について

Twitterの投票機能を使って「吹奏楽コンクールで演奏するなら?」というアンケートを実施してみました。
結果はこちら↓

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今回は67%の得票率で、吹奏楽オリジナル曲に軍配が上がりました。この結果について、少し考察してみたいと思います。
オリジナル曲、アレンジ曲、どちらにも良さはあるし、バンドが成長し、力を発揮できる選曲をすればよいと思いますが、長い時間かけてじっくり取り組むものだけに慎重に選びたいものです。
オリジナル曲の良さは、吹奏楽の特性や響きを初めから想定して書かれていることだと思います。それだけに「吹奏楽」という形態をよく理解することが求められると思いますし、その形態を最大限にまで活かした曲作りに取り組めるというメリットがあるかと思います。しかし一方で、コンクール受けするような、コンクール自由曲のための作品が増えてきている中で毎年同じような曲に取り組むことは、様々な音楽にチャレンジする機会を減らすことにもつながりかねません。ましてや、定期演奏会などで取り上げる曲もコンクール自由曲の候補だとしたら、その傾向はますます偏ったものになっていく恐れもあります。
アレンジものの良さは名曲と言われる作品にじっくり取り組めること、そして弦楽器だったらどのように表現するかなどを考える中で、いろんな役割を学べるところにあるような気がします。しかしこちらも原調から吹奏楽でやりやすい調に転調されていることで元の楽曲が持っている色彩感と異なってしまったり、管楽器で弦楽を表現するのにどうしても限界が生じてしまったりという課題もあります。一番大きいのは、オリジナル曲以上に楽曲のカットが必要になることが多いところにあると思います。不自然なカットが慣例化していくことは音楽的にみても、子どもたちの成長を考えても決して良い傾向だとは考えにくいものです。また最近ではマーラーやブルックナーなど新しい試みをする団体も出てきましたが、こちらもコンクールというものが視野に入る以上、取り上げられる作品に偏りがあることも否めません。
と、双方のメリットとデメリットを挙げてみましたが、改めてどんな選曲をするかということは、その指導者がバンドをどんな風に育てていきたいのかを表しているような気がします。
いずれにせよ、吹奏楽はいろんなジャンルの音楽を演奏できる面白い形態であることに変わりはありません。だからこそ、特定のジャンルに偏ることなく、いろんな音楽に触れるチャンスをつくっていきたいものです。それが自分の可能性を広げることにつながるし、楽しみも増えるように思います。コンクールに限らず、いろいろと考えた上で選曲に関わっていきたいなと思います。

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