- 褒められたい
- 認められたい
- 良い評価が欲しい
潜在意識として、誰の中にもそういった欲求はあると思います。
この欲求自体はモチベーションの向上につながることもありますし、何かを成し遂げようとするときの原動力になったりもすると思います。
しかし、この思いだけに縛られてしまうと、時として自分を見失い、追い込んでしまうことにもつながりかねません。
今日は、「人からの評価」との関わり方についてつぶやいていきたいと思います。
|人からの評価はコントロールできない!
自分がどんなに頑張っても、思うような評価につながらないことはたくさんあります。
「自分は頑張ったのだから認めてくれ!」と相手に言ったところで、その相手が自分の頑張りをどう評価してくれるかは分かりません。
それは、一人ひとり価値基準も違えば、評価基準も異なりますし、人によって「頑張った」という感覚も違うものだからです。
自分は相手ではありませんから、相手の思考をコントロールすることはできません。もしできるとしたら、マインドコントロールや催眠術ができる特殊能力を持っている人だと思います。
人から見て、客観的に自分がしたことはどうだったのか、アドバイスをもらうことは大事です。そうしないと、独りよがりな思考に陥って、自分自身の成長を妨げることもあります。でも前提条件として、「人からの評価はコントロールできない」ということをどこかで意識しておくことも大事です。
|人からの評価でクヨクヨしない!
人に少し厳しい評価をされると、落ち込むこともあるかもしれません。逆に、腹立たしく思う人もいることでしょう。
でも、それで思い悩んだり、腹を立ててしまうよりは、自分ができることをやって、それが自分にとってどうだったか、ありのままを受け止めて、次はどうしようかと考えて行動した方が、自分の気持ちは健やかに過ごせるような気がします。
音楽でも仕事でも、他人と関わることや目に見える成果にこだわりすぎると、少しでも上手くいかなかった時に「裏切られた」「失敗した」「自分はもうダメだ」と感じることがあるように思います。
でも、自分がしたことに対する結果は良くも悪くも裏切りません。「良かったか」「悪かったか」ではなく、「やってみてどうだったか」というありのままを受け止めて探究することと、その探究を積み重ねていくことは、必ずどこかで自分の糧になるはずです。
たとえ目に見えてはっきりと分かるような成果出なかったとしても、せっかくできるようになっていることがあるのに、そこに目を向けずに自己否定に走ったり、腹を立てたりしてしまうのはとてももったいないことです。
人からの評価は、ありがたく受け取っておく。
でも、決してその評価に自分自身が支配されない。
言うは易しで、実際には人に何か手厳しいことを言われたら、その言葉に自分自身が支配されてしまうこともあるかと思いますが、自分が何を大切にしているのか、何をしたいと思っているのかということをいつも意識することで、人から受けた言葉をいかにプラスにつなげていけるかを考えられるといい気がします。
|人のアドバイスには2種類ある
人がアドバイスをするときには、大きく分けると
- 本当に相手のことを考えて、相手に良かれと思ってアドバイスする。
- 相手にとってマイナスのことを言うことで、自分を優位に立たせようとしている。
という2種類に分かれるかと思います。
曲者なのは、2番目です。最もらしいアドバイスに聞こえることでも、悪意に満ちたものである場合、それを真に受けてしまうと自分自身に大きなダメージを与えることになりかねません。マイナスのことばかり言ってきてダメ出しをし続けるような人からは、できるだけ離れることが賢明です。
1番目であっても、「私はあなたのためを思って…」という気持ちが強すぎたりすると、アドバイスの押し付けになり、互いにとって好ましくない状況に陥ってしまうことがあります。自分自身が人のアドバイスを受け取るときに「自分を持つ」ことを大事にするのと同様に、人にアドバイスをしようとする時にも「自分の考えを必ずしも受け入れてくれるとは限らない」ということを分かっておくことは大事なことだと思います。
人を信じる気持ちは大事だし、素敵なものです。
でも、相手の正確な心は必ずしも読み取れません。
人に何か言われた時、何となく腑に落ちないことがあったり、やたらにそのことで自分がマイナスの思考に陥りそうになったとしたら、いったん受け入れようとするのはやめて、自分にとって何が大切なことなのかを自問自答してみることも必要だと思います。
|悩んだら、まず行動してみること
必ずというわけではないですが、不安に襲われる時というのは、実は考えたり感じたりする余裕がある時だったりもします。本当に端から見て不安に感じる時は、意外と本人は気づいていないこともあります。
不安に潰されそうになったら、とりあえず手当たり次第やれることをやってみるのも一つの方法です。
特に人に言われてクヨクヨ悩んでいる時には、まず言われたことをやってみるのもいいでしょう。それでしっくりくるのであれば、言われたことを取り入れてみればいいですし、自分には合わないと思えば、一つの引き出しとしてストックしておく。それくらいがちょうどよいかもしれません。
そうやって、悩むよりも行動した方が意外と問題は解決するかもしれません。
|まとめ
吹奏楽は集団でつくりあげていく音楽。
だからかこそコミュニケーションを密にとることも必要です。自分では伝わっているだろうと思うことでも、意外と伝わっていないこともあるし、それが溝をつくってしまうこともあります。ベッタリの必要はないですが、互いのことは理解しようと努力したいものです。
その上で、気持ちがすれ違ってしまったとしたら、無理に一致させようとしなくてもいいのです。お互いが言っていることをいったん受け止めてみる。妥協点はないか探してみる。なければ、お互いの言い分について良いところ探しをしてみる。その中でそれぞれの個性が尊重されながら、じっくりチーム作りをしていけばいいと思います。
一緒にやっていく仲間だからこそ、思い入れもあるでしょう。
分かってくれなかったら悔しいかもしれないし、悲しいかもしれません。
でも、いろいろな考えや感じ方を持つ仲間が集まっているからこそ、味のある音楽をつくっていくことができるように思います。無理に相手をコントロールしようとするのではなく、互いを尊重し合いながらやっていきたいものです。
指揮者の清水宏之先生が、今日開催された青山学院管弦楽団の「サマーフェスティバル」で次のようなことをおっしゃっていました。
オーケストラの魅力は、生の人間が100人集まって音楽を奏でているということ。
最近はコンピューターの打ち込みで、スマホだけでも音楽がつくれて、100人分の音を出して演奏ができてしまうかもしれない。でも、生の100人でつくりだす音楽は、決して機械ではつくりだすことはできない。
本当にその通りだと思います。生身の人間がつくりだす音楽だからこそ、いろんな感情が湧き上がってくる。だから人の心に響く演奏になるのだと思います。
だからこそ、人の評価だけにとらわれることなく、自分がしたことに対して、やってみてどうだったか、「良い」「悪い」ではなく、ありのままそのままを受け入れてみることは大事です。それは、向上心につながっていくはずです。
一人ひとり異なる人間が集まっているからこそ、それぞれの考え方や感じ方を大事にできる音楽活動をしていきたいものです。